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概要:アマゾンは自社配送サービスを拡大し、アマゾン以外の出品者のサイトや他のサイトの商品も配送するといいます。このサービスは、フェデックスやUPSと競合するサービスになり得るのでしょうか。
アマゾン(Amazon)は、フェデックス(FedEx)やUPSと競合する自社配送サービスを大幅に拡大している。
Insiderが確認したアマゾンからの招待メールによると、2023年8月中旬、アマゾンは一部の出品者に自社配送サービス「アマゾン・シッピング(Amazon Shipping)」の利用を呼びかけた。招待メールと公式サイトによると、このサービスは、アマゾンのマーケットプレイスや、出品者のサイト、その他のサイトで販売された商品を配送するという。
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招待メールにはこう書かれている。
「アマゾンの販売パートナー向けに、信頼性の高い迅速な配送サービスを提供します。あなたのウェブサイト、Amazon.comなど、複数のチャネルで利用可能です」
アマゾン・シッピングのウェブサイトによると、このサービスは「アメリカ国内と隣接する地域内」の配送に対応しているが、アメリカからの国際配送には対応していない。またこのサービスは、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、インドなど他の国でも開始されている。アマゾン・シッピングは週7日間利用可能で、週末は追加料金なしで配達できる、と招待メールには書かれている。
アマゾン・シッピングは2018年、ロサンゼルスやロンドンなど一部の都市で初めてベータ版のサービスを開始した。しかし2020年、コロナ感染拡大でサプライチェーンが封鎖されたため、アマゾンはこれを中断した。
アマゾン・シッピングは、かつてUPS、フェデックス、米国郵政公社が独占していたラストワンマイル配送(編注:物流の最終拠点から配送先までの区間)に進出しようという、アマゾンの最新の動きだ。
eコマースの製品とソリューションを提供する企業、ピツニーボウズのデータによると、2022年時点で、アメリカ国内の小包量に占めるアマゾンのシェアは23%に達している。これは米国郵政公社(32%)、UPS(24%)に次ぐ第3位である。フェデックスのシェアは19%だった。
アマゾンの広報担当者、オリビア・コナーズはInsiderの取材に対しEメールで回答し、アマゾン・シッピングは 「迅速かつコスト効率よく顧客に荷物を発送するためのもう一つの選択肢」と述べた。
「このサービスは以前から提供されており、好評を得ています。そのため、より多くの販売パートナーに提供することにいたしました」
運輸専門情報サービスのフレイトウェーブス(Freight Waves)は以前、アマゾン・シッピングのサービス拡張の一部について報じた。
アマゾン・シッピングの利用案内を受けたあるアマゾンでの販売業者は、匿名を条件にInsiderの取材に応じ、新サービスは以前より大幅に拡大したと語った。
この販売業者によると、これまでアマゾンはアマゾン独自の配送サービスを販売者が直接予約できる仕組みを提供していなかった。販売者がアマゾンのフルフィルメント・サービス(商品の受注から入金管理に至るまでの一連の作業を行うサービス)を利用する場合、UPSであれアマゾン独自の配送サービスであれ、どの配送サービスを使って荷物を配送するかはアマゾンが決めていた。
しかしアマゾン・シッピングでは、販売者は自社の倉庫から発送する場合でも、アマゾン・シッピングを直接利用することができるようになった。eBayや販売者自身のウェブサイトなど、他のチャネルで販売されている商品にも対応できると、この販売者は話す。販売者は、アマゾンの販売者アカウントから発送予約を行い、同社のバックエンドシステムを経由するだけでよい。
フェイシャルクリームのような美容品を専門に扱うこの販売者は、今のところアマゾンの価格設定は小物の商品に対してはそれほど競争力がないものの、サービスが拡充していけば価格競争力が高まる可能性がある、と話す。長期的には、アマゾンは自社の販売者以外にもこれを拡大して、UPSやフェデックスと直接競合するような独立したサービスに変える可能性がある、とこの販売者はみる。
アマゾンはまた、アマゾン独自のフルフィルメント・サービスを利用していない出品者には新たな手数料を追加した。ブルームバーグによると、アマゾンは、自社倉庫を利用しているがプライム会員になりたい出品者には、2%の追加料金を支払う必要があると伝えたという。
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