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概要:2023年に入り失望続きの円の強気派は、円が1カ月ぶりの高値を付けたことで、ついに強気予想の実現が視野に入りつつある。
一部の投資家は論拠多様化、世界的な景気後退入りに期待かける
主要国、金融引き締め継続で景気下降の確率高まる-JPモルガン
2023年に入り失望続きの円の強気派は、円が1カ月ぶりの高値を付けたことで、ついに強気予想の実現が視野に入りつつある。
日本が超緩和的な金融政策を転換することで円は10%上昇するとの予想はまだ現実化していないが、円が転換点を迎えつつあることを示す兆しは強まっている。そこで一部の国際的な投資家は見方を変えるのではなく論拠を多様化し、円の追い風として世界的なリセッション(景気後退)入りにますます期待をかけている。
その理由は単純だ。JPモルガン・チェースのエコノミストによれば、主要国・地域の中央銀行は予想よりも根強いインフレに見舞われ金融引き締め継続を余儀なくされ、景気下降の確率が高まっている。これを考慮すると、安全な逃避先を求める動きから恩恵を受けることが多い円は、慢性的に過小評価されていると見受けられる。円は実質実効為替レートで1971年以来の低水準付近で推移している。
バンダ・リサーチのストラテジスト、ビラジ・パテル氏は「やがて起きる世界的な景気後退リスクにひたすら近づいており、年末から来年にかけてその可能性は強まるばかりだ」とし、世界経済が暗転すれば円は20%近く上昇するとみる。「単にタイミングの問題だ」と指摘した。
上期(1-6月)にG10通貨の中で最低のパフォーマンスとなった円は、今月に入り約2.8%上昇し、他のほぼ全てのG10通貨を上回った。11日には一時1ドル=140円16銭を付けた後、上昇幅を削ったものの、4営業日続伸となった。オプション市場で投資家は、今月の米連邦準備制度と日本銀行の金融政策決定を前に円高を予想するポジションを取っている様子だ。
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