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概要:この1年にわたる米住宅市場の深刻な落ち込みは終わりに向かいつつあるもようだ。こうした住宅底入れを受け、ウォール街では米経済がリセッション(景気後退)を完全に回避できるとの期待が高まっている。
住宅ローン金利はピークに達した公算大、雇用も好調-住宅指標回復
景気循環が住宅市場のサイクルに近いとすれば軟着陸は可能と専門家
この1年にわたる米住宅市場の深刻な落ち込みは終わりに向かいつつあるもようだ。こうした住宅底入れを受け、ウォール街では米経済がリセッション(景気後退)を完全に回避できるとの期待が高まっている。
それは歴史的に見て、住宅部門がより広範な景気循環の重要な原動力だったからだ。低金利は住宅需要を押し上げ、価格上昇と建築活動拡大、建設部門の雇用増をもたらす可能性があり、価格上昇はいわゆる「資産効果」を通じて個人消費の下支えにもつながる。そして、米金融当局が金利を引き上げるときは、全てが逆転する傾向にある。
米金融当局が引き締めサイクルを終了しようとする中、住宅ローン金利はピークに達した公算が大きい。一方、雇用市場は引き続き堅調で、こうした全ての要因が2023年最初の数カ月の主要な住宅指標の回復を後押ししている。
モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は、(住宅市場の底入れが)米経済を救うかもしれないと指摘。同氏は他の多くの人々が撤回しても、「ソフトランディング(軟着陸)」の観測を維持している。
ゼントナー氏は「住宅建設と住宅購入の両方の活動データを見ると、今が底なのはかなり明白なようだ。景気循環は住宅市場のサイクルに非常に近いとする伝統的な考え方をするなら、ソフトランディングは実際に可能だという新たな証拠となる」と述べた。
インフレ抑制に向けた米金融当局の積極的な利上げが成長を損ない、失業増加につながる中、大半のエコノミストが米国は来年のいずれかの時点でリセッションに陥ると予想。ただ、どの程度深刻、あるいは「ハード」な着地となるかについては議論の余地がある。
鍵となるのは、1年にわたる利上げにもかかわらず底堅さが目立つ雇用市場だ。仕事があり十分な収入を得ている限り住宅売買は引き続き可能で、住宅ローン金利がこれ以上高くならなければなおさらだ。
現在、状況は好転している。25日発表された3月の米新築住宅販売は1年ぶりの高水準となった。米住宅着工件数はこの2カ月で約6%増加。それ以前の9カ月間には26%減少していた。
住宅ローン金利と住宅価格が低下すれば、買い手はさらに増える可能性がある。25日発表されたデータによれば、S&P・コアロジック/ケース・シラーがまとめた2月の米20都市住宅価格指数は、昨年のピークから5%近く低下。20年6月から22年6月までに40%余り上昇していた。
住宅市場が成長軌道に戻れば、米利上げや複数の銀行破綻に伴う信用収縮の影響が顕在化した際に他の経済セクターの痛みを抑えられるかもしれない。
労働市場で最も好調な産業の1つが建設業であることは注目に値する。同セクターの雇用者数は先月、ここ1年余りで初めて減少したが、給与水準はなお過去最高近くにある。
JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は、そうした状況からハードランディングの可能性が後退していると分析。ただ、同氏はリセッションが10-12月(第4四半期)に始まるとなお予想する。
同氏は、住宅建設にかかる時間がここ数年長くなっている点に触れ、建設業界のレイオフの波は「まだ始まったばかりかもしれない」と警告。つまり、新規プロジェクトの減少が雇用に影響を及ぼすには、従来よりも時間がかかる可能性があるということだ。
ゼントナー氏も建設業界の雇用について特に楽観的というわけではないが、高水準にある住宅価格が今後の消費と消費者信頼感を支えるとの見方を示した。モルガン・スタンレーは住宅価格が今年、タイトな供給が続く中で4%程度しか下がらないと予測している。
07年のリポートで経済に対する住宅投資の重要性を指摘したカリフォルニア大学ロサンゼルス校のエコノミスト、エド・リーマー氏は「歴史的にリセッションでは建設業と製造業という基幹2部門の雇用が失われるが、今回はいずれもそれほど深刻なものにはならないだろう。住宅を建て過ぎてはいないため、住宅市場が正常な水準に戻るのに建設を著しく抑制する必要はない」と語った。
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