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概要:22日の米国債市場で3カ月物利回りが10年物を上回った。これは2007年以来初めてで、米国が年内または20年序盤にリセッション(景気後退)入りするとの観測が強まった。こうした「逆イールド」は歴史的に、約1年以内の大幅な景気減速の先触れであることが多いからだ。しかし、現在のイールドカーブを決定している要素と経済の状況に照らして、今回は例外かもしれない。ただ、リセッションシグナルだという誤った解釈が、予言を自己実現させてしまうリスクはある。
22日の米国債市場で3カ月物利回りが10年物を上回った。これは2007年以来初めてで、米国が年内または20年序盤にリセッション(景気後退)入りするとの観測が強まった。こうした「逆イールド」は歴史的に、約1年以内の大幅な景気減速の先触れであることが多いからだ。しかし、現在のイールドカーブを決定している要素と経済の状況に照らして、今回は例外かもしれない。ただ、リセッションシグナルだという誤った解釈が、予言を自己実現させてしまうリスクはある。
逆イールドは投資家が利下げを見込み、短期の利回りが大幅に下がると予想している時に起こりがちだ。景気が急激に減速しリセッションの本格的リスクがある時に最も起こりやすい。
確かに、米成長は既に18年の平均水準から減速している。米連邦準備制度のコミュニケーションの失敗と、35日間の政府閉鎖が原因だ。これらの傷は癒えつつあるものの、減税効果の薄れに加えて米中貿易摩擦、政治的不透明、世界の細分化と分極化の逆風がある。
しかし、成長に関するこのような悲観論は堅調な労働市場が消費を支え続けているという事実を無視している。景気拡大サイクルの遅い時期にしては雇用創出は堅調で、賃金も実質ベースで伸びている。消費だけでなく企業投資も今年と来年の成長に寄与する見込みだし、減税効果は薄れても代わりに政府支出が増えている。
比較的良好な景気見通しに加え、今回の逆イールドでは次のような点が留意される。
欧州経済が本格的な減速に見舞われドイツ10年債の利回りがマイナスとなる中で、米国債に資金が流れるのは自然なことだった。また、米金融当局が今年の利上げ回数ゼロを想定したことで市場は早ければ12月の利下げを予想し始めた。
社債市場では投資適格債、高利回り債がともに比較的小さなスプレッドで取引されており、景気減速を示唆していない。さらに、インフレ期待の低下は大幅な需要減見込みによるのではなく、インフレ低下要因の多くが構造的で恒久的なものだという認識が理由かもしれない。
こうした全てが、今回の逆イールドは伝統的なリセッションシグナルでないことを示唆している。
しかし、3カ月物と10年物の利回りが逆転した22日には米国株が下落。グーグルの検索では「リセッション」と「イールドカーブ」という言葉が急増した。逆イールドを迫り来るリセッションの前兆だと読み違える人が多ければ多いほど、株価は下落してボラティリティーが上がり、市場に流動性不足のスポットが出現するリスクが高まる。これが続けば、家計と企業の信頼感が損なわれ、企業投資の決定は先送りされ、実際に成長の足をすくいかねない。
(このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
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