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概要:ユーロが昨年9月以降最大となる月間の下げを拡大する中で、29日の欧州債市場は上昇。欧州中央銀行(ECB)が後に延ばすよりも早期に利下げに踏み切るとの観測が後押しした。
ユーロが昨年9月以降最大となる月間の下げを拡大する中で、29日の欧州債市場は上昇。欧州中央銀行(ECB)が後に延ばすよりも早期に利下げに踏み切るとの観測が後押しした。
ECB政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は週末に、今年のいかなる時点にも利下げの可能性はあり、今後の政策委会合ではあらゆる選択肢が開かれていると語った。この発言で市場は4月の0.25ポイント利下げを完全に織り込むなど、早期利下げ観測を強めた。先週の政策会合以前には、市場で織り込まれた4月利下げ確率は60%だった。
ジェフリーズ・インターナショナルの欧州担当チーフエコノミスト、モヒト・クマール氏は、債券市場は「上がりたがっている」と指摘。「ECBはいずれにしろ6月には利下げするというのが基本的な考えだ。だが、データが弱く、利下げを前倒しせざるを得なくなるリスクがある」と語った。
ユーロ圏国債は中期債を中心に上昇。ドイツ5年債利回りは一時9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、米5年債の低下幅の2倍に上った。ユーロは見通しがハト派寄りへと決定的に傾いたと見なされ、他の主要通貨に対し全般的に軟調。今月に入ってからのドルに対する下げは2%を超えた。
欧州株
ストックス欧州600指数は0.2%上昇し、2年ぶりの高値を更新して取引を終えた。決算発表が続く一方、投資家は週半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)政策声明を待っている。
ただ、ヨルダンで米軍拠点が攻撃され米兵が死亡した事件や、紅海で石油タンカーが攻撃されたことを受けて米国の対応が注目されており、上値は抑えられた。中東の地政学リスクでブレント原油は1バレル=82ドルを超える水準を保ち、シェルやトタルエナジー、BPなど欧州の石油メジャーは上昇。通信株は下落した。
スイスのセメントメーカー、ホルシムは急伸。北米事業を分離し、2025年に米国で株式を上場する計画だと発表したことが好感された。
1月29日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
株 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ストックス欧州株600 | 484.84 | +1.00 | +0.21% |
英FT100 | 7,632.74 | -2.35 | -0.03% |
独DAX | 16,941.71 | -19.68 | -0.12% |
仏CAC40 | 7,640.81 | +6.67 | +0.09% |
債券 | 直近利回り | 前営業日比 |
---|---|---|
独国債2年物 | 2.57% | -0.06 |
独国債10年物 | 2.24% | -0.06 |
英国債10年物 | 3.88% | -0.09 |
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