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概要:米連邦準備制度理事会(FRB)が29日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、消費者が裁量的な支出を控えたため、米経済活動はここ数週間に減速したと指摘した。
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2023年11月30日 4:16 JST
消費者が価格に一段と敏感に、旅行・観光業は概して好調
大半の地区で雇用は横ばいか小幅増、労働市場「タイト」の声も
米連邦準備制度理事会(FRB)が29日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、消費者が裁量的な支出を控えたため、米経済活動はここ数週間に減速したと指摘した。
ベージュブックは「消費者が価格に一段と敏感になったため、家具や家電製品のような裁量的アイテムや耐久消費財の売り上げは平均して減少した。旅行・観光業は概して好調だった」と記述している。
今回の報告は12地区連銀が11月17日までに集めた情報を基に、アトランタ連銀がまとめたもので、景況に関するコメントなどを含んでいる。
金融当局者は経済とインフレの行方を探るために、この種の情報への依存を高めている。政府統計は経済データの軸となるが、その数値は一般的に後ろ向きで、改定も行われる。
FRBが重宝する一般からの情報-複雑化する経済動向理解で
労働需要は引き続き緩和しており、回答者はレイオフや自然減による人員減少を指摘し、ほとんどの地区が雇用は横ばいか小幅な増加を報告している。しかし、いくつかの地区では、労働市場は引き続き「タイト」だと報告された。11月の雇用統計は12月8日に発表される。
ベージュブックは連邦公開市場委員会(FOMC)定例会合の2週間前に公表される。FOMCは来月、3会合連続で政策金利を据え置くと予想されている。
信用状況
現在22年ぶりの高水準にある政策金利は、住宅購入や自動車購入、クレジットカードでの借り入れコストを高めている。
ベージュブックは「消費者信用はかなり健全に推移しているが、一部の銀行では消費者の返済延滞が若干増加している」と指摘した。
7-9月(第3四半期)は過去2年間で最も速いペースで景気が拡大したが、今回の報告はここ数週間で広範囲にわたって景気が冷え込んでいることを指摘している。4地区では緩やかな成長が報告されたが、それ以外の地区では活動の停滞または明らかな縮小が示された。今後6-12カ月の経済見通しも悪化した。
米GDP、7-9月は5.2%増に上方修正-約2年ぶりの高い伸び
一方、インフレは全国的に「おおむね緩やかになった」という。
ベージュブックは「価格決定力はさまざまで、サービス業は製造業よりも価格転嫁しやすい状況にある。ほとんどの地区では、来年も緩やかな価格上昇が続くと予想されている」と記述している。
30日に発表される10月の個人消費支出(PCE)では、金融当局が選好するインフレ指標であるPCE価格指数が減速し、2021年初頭以来の低い伸び(年率)になると予想されている。
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