简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:29日の米金融市場では、米国債への買いが継続。米金融当局が来年前半にも利下げに踏み切れるとの見方が追い風となった。
コンテンツにスキップする
2023年11月30日 6:49 JST
GDPは上方修正、「ゴルディロックス」シナリオ後押しする内容
FRBは「最適な状態にある」と考えるかもしれない-ローチ氏
29日の米金融市場では、米国債への買いが継続。米金融当局が来年前半にも利下げに踏み切れるとの見方が追い風となった。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.44% | -6.7 | -1.49% |
米10年債利回り | 4.26% | -6.6 | -1.52% |
米2年債利回り | 4.64% | -9.3 | -1.96% |
米東部時間 | 16時48分 |
この日発表された経済指標が「ゴルディロックス」シナリオを後押しする内容となり、米金融当局によるピボット観測が高まった。2年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.64%。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合に連動するスワップ契約は5月までに25bpの利下げが行われる確率を完全に織り込んだ。
米債券市場、来年5月までのFRB利下げを完全に織り込む
7-9月(第3四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比で年率5.2%増に上方修正され、約2年ぶりの高い伸びとなった。個人消費は3.6%増と、速報値の4%増から下方修正。米金融当局が注目するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数も下方修正となった。午後に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)は、消費者が裁量的な支出を控えたため、米経済活動はここ数週間に減速したと指摘した。
米GDP、7-9月は5.2%増に上方修正-約2年ぶりの高い伸び (2)
米地区連銀経済報告:経済活動は減速、消費者が裁量的支出を手控え
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「米金融当局は『最適な状態にある』と考えるかもしれない」と指摘。 「インフレ率は鈍化傾向にあり、個人消費のペースは落ちているが、支出はなお続いている。米金融当局は経済に大きな痛みをもたらすことなく、利上げを終了できる可能性がある」と述べた。
米利上げ打ち止め観測から、債券は11月に力強い復活を遂げた。世界のソブリン債や社債に関するブルームバーグの指数は今月、リターンがプラス約5%となっている。このまま行けばリーマン・ブラザーズ破綻を受けて米金融当局が事実上のゼロ金利政策など積極的な緩和政策を打ち出していた2008年12月以来の好調なパフォーマンスとなる。
ナットアライアンス・セキュリティーズの国際債券責任者、アンドルー・ブレナー氏は「米利上げがもう終わったとの見方が増え、おそらく利下げとなる次の金利変更に注目が集まるようになれば、利回りを押し下げる原動力は十分にある」と指摘。「とはいえ、あまりに短期間に大きく動いた」と述べた。
クリーブランド連銀のメスター総裁はインフレ率が当局目標の2%に向かう軌道にあるかどうか精査する上で政策は良い位置にあるとし、12月のFOMC会合で金利据え置きを支持する意向を示した。アトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレの下向き軌道は恐らく続き、経済活動は今後数カ月に減速するとの確信を強めているとの認識を表明。一方、リッチモンド連銀のバーキン総裁はインフレが頑強であると判明する場合に備え、米金融当局は利上げの選択肢を残しておくべきだとの考えを示した。
メスター総裁、政策は今後のデータ評価する上で「良い位置にある」
アトランタ連銀総裁、インフレの下向き軌道は続く可能性が高い
リッチモンド連銀総裁、FRBは利上げの可能性を残しておくべきだ
ルネサンス・マクロ・リサーチの米経済調査責任者ニール・ダッタ氏は、米経済は「順調」だと指摘。「株式投資家にとって、これはソフトランディング(軟着陸)のニルバーナ(ねはん)だ。債券投資家にとっては、利回り曲線のブルスティープ化が続くと予想される」と述べた。
この日は複数のブロック取引が利回り曲線のスティープ化を支援し、期間短めの債券が期間長めの債券をアウトパフォームした。こうした取引は、米国の利下げが近づくのに伴い恩恵を受ける。ドイツのインフレ率が予想以上に鈍化し、独連邦債が値上がりしたことも米国債を支援した。ただ、利上げは依然として選択肢だとの考えを示したバーキン総裁の発言を受けて、利回りはこの日の低水準から押し戻されて終えた。
独インフレ率、11月は2.3%に減速-市場予想よりも大幅な低下 (1)
タイタン・アセット・マネジメントのジョン・リーパー最高投資責任者(CIO)はGDP統計について、経済の力強さを改めて浮き彫りにする一方で、コアPCE価格指数の下方修正は、米金融当局内で戦略が引き続き順調に進んでいる兆しであり、ソフトランディングを実現する可能性があると受け止められるだろうと話す。その上で「ゴルディロックスのシナリオは当面続く」と述べた。
米国株
ダウ工業株30種平均は続伸。S&P500種株価指数とナスダック総合指数は下落して終えた。エヌビディアが半導体株の上昇をけん引する一方、「サイバートラック」のイベントを控えたテスラは下落。マイクロソフトも売られた。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4550.58 | -4.31 | -0.09% |
ダウ工業株30種平均 | 35430.42 | 13.44 | 0.04% |
ナスダック総合指数 | 14258.49 | -23.27 | -0.16% |
ゼネラル・モーターズ(GM)は9%余り急伸。配当を33%引き上げるほか、100億ドル(約1兆4800億円)相当の自社株買いを実施すると発表したことが好感された。
為替
ニューヨーク外国為替市場で、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が上昇。ただ、ドルは対円では下落した。米金融当局者の間ではこの日、政策金利の先行きを巡り異なる見解を示された。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1233.82 | 1.51 | 0.12% |
ドル/円 | ¥147.21 | -¥0.27 | -0.18% |
ユーロ/ドル | $1.0972 | -$0.0021 | -0.19% |
米東部時間 | 16時48分 |
円は上方修正されたGDP統計の発表後に147円台後半まで売られる場面もあったが、その後147円台前半まで回復。一時は147円08銭まで買われた。円は前日も0.8%値上がりしている。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏は「今年ハト派の筆頭であったバーキン総裁の発言は意外だ」と指摘。「米金融当局によるダメージコントロールの取り組みはあまりに小さく、遅きに失したようだ」と述べた。
12月1日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する。
ユーロは対ドルで下落。ドイツのインフレ率が市場予想以上に低下したほか、スペインのインフレ率も予想外に鈍化した。
スペインのインフレ率、11月は予想外の低下-燃料コスト下落 (1)
原油
ニューヨーク原油先物相場は続伸。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の会合を巡る不安から買いが続いた。米国の原油在庫は増加したものの、米利上げサイクル終了の兆候も支援材料となった。
OPECプラスの30日の会合は対面ではなく、オンラインで開催される。2024年の生産枠を決定する予定だが、一部アフリカ諸国の生産枠を巡って協議が行き詰まっている。
OPECプラス、アフリカ産油国の生産枠巡る問題解消にほど遠い
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダーのレベッカ・バビン氏は「あすの会合を前に原油市場では不安が強まっている」と指摘した。
エネルギー情報局の週間統計によると、米国の原油在庫は160万バレル増加し、7月以来の高水準に達した。ただ、製油所の稼働率上昇が下値を支えた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は前日比1.45ドル(1.9%)高の1バレル=77.86ドル。ロンドンICEの北海ブレント1月限は(1.7%)高の83.10ドルで終了した。
金
金スポット相場は続伸し、5月以来の高値となった。来年の米利下げ開始観測を背景に買いが続いた。
経済のハードランディングと来年の積極的な利下げを見込んだポジションが拡大しており、JPモルガン・チェースが実施した週間調査によると、投機筋は米国債に対してこれまでで最も強気に傾いている。
金は10月初旬以来、11%余り上昇している。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を受けた逃避目的の買いがきっかけとなった。世界的な利回り低下を支援材料に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に付けた過去最高値が視野に入っている。
ニューヨーク時間午後1時36分現在、スポット価格は0.3%高の1オンス=2047.36ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は6.9ドル(0.3%)高の2067.10ドルで引けた。
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。