米シェール業界に再編の波、デボンがＭ＆Ａの選択肢を検討

マラソン・オイルとの合併について予備的な協議－関係者

クラウンロックも買収ターゲットとして検討

米石油・ガス会社のデボン・エナジーは、国内シェール市場での規模拡大を目指し主要な買収先を模索している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

オクラホマシティーに本社を置くデボンはここ数カ月間に、独立系エネルギー会社のマラソン・オイルと合併・買収（Ｍ＆Ａ）について予備的な協議を行っているという。情報の非公開を理由に匿名を条件に関係者が述べた。両社は米中西部やオクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州にある少数の盆地で操業しているため、補完効果が期待される。マラソンの時価総額は約175億ドル（約２兆6200億円）。

関係者によると、他にも非公開企業のクラウンロックが買収ターゲットとして検討されている。国内最大で最も生産性の高い油田であるパーミアン盆地で操業する同社は買い手を探しており、売却額は100億ドルを超える可能性があるという。

最終的な決定に至っておらず、いずれの選択肢についてもデボンが白紙にする公算もあると、関係者は付け加えた。

デボンとマラソンの各担当者はコメントを控えた。クラウンロックの担当はコメントの要請に返答しなかった。ロイターは先月、クラウンロックが身売り検討を準備していると報じていた。

Ｍ＆Ａに向けたデボンの積極的な動きは、企業が掘削の在庫拡充やコスト削減を目指す中で米シェール業界に再編の波が押し寄せていることが背景にある。今月に入ってエクソンモービルがパイオニア・ナチュラル・リソーシズの買収合意を発表。今週はチェサピーク・エナジーがサウスウェスタン・エナジー買収を検討しているとブルームバーグ・ニュースが報じた。

デボンは、米最大級の独立系シェール掘削会社の一つで、パーミアン盆地を筆頭に国内５つの盆地で操業。マラソンあるいはクラウンロックのいずれかを買収するとなれば、同社としては21年にＷＰＸエナジーを26億ドルで買収して以来の大型案件となる。

18日の米株式市場でデボン株の終値は50.08ドル。これに基づく時価総額は約320億ドル。