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ブラックロック、銀行からプライベートクレジットへのシフトは続く
概要：世界最大の資産運用会社ブラックロックは、米金融市場で「地殻変動」が進行しており、プライベートクレジットファンドがより多くの企業に融資するようになりるだろうとの見通しを示した。一部の銀行はそうした貸し手との競争に苦戦するだろうと指摘した。
2023年10月18日 16:56 JST
預金獲得競争激化が銀行融資の優位性損なう
プライベートクレジットは今後数年、強い成長遂げる見込み
世界最大の資産運用会社ブラックロックは、米金融市場で「地殻変動」が進行しており、プライベートクレジットファンドがより多くの企業に融資するようになりるだろうとの見通しを示した。一部の銀行はそうした貸し手との競争に苦戦するだろうと指摘した。
ブラックロック・インベストメント・インスティテュートは17日発表の論文で、銀行口座からマネー・マーケット・ファンド（ＭＭＦ）への資金シフトにより、銀行は中小企業に融資する能力が低下すると予想した。
ジャン・ボアバン、アレックス・ブラジエ両氏らによるこの論文によると、銀行は預金を集め維持するためにより多くの金利を支払うことが必要になる見込み。
米ＭＭＦの残高は現在５兆7000億ドル（約854兆円）に上る。
「米国の銀行は顧客に提供する金利を引き上げることで、積極的に預金獲得競争を行うだろう。これは低金利の預金で資金を調達できることによる銀行融資の優位性を損なうことになる」と論文は指摘した。
ブラックロックや他の運用会社は今年の大半を通じてプライベートクレジットへの進出を模索しており、少なくとも今後５年間はプライベートクレジットでの投資機会があると論文は予測している。
ただ、プライベートクレジットファンドも「厳しい経済環境の影響は免れない」と執筆者らは論じ、調達コストの上昇が借り手に打撃を与える可能性を指摘した。
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