ＥＣＢホルツマン氏、インフレ率が２％になるには景気後退が必要

労働市場と気候変動の２大要因、２％への回復を非常に困難にする

• ＥＣＢのモデル、中長期予測の信頼性は確信できず－ホルツマン氏

欧州中央銀行（ＥＣＢ）政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、ユーロ圏のインフレ率を目標の２％に戻すのは容易ではないとの認識を示した。

ホルツマン氏は国際通貨基金（ＩＭＦ）・世界銀行の年次総会が開催されているモロッコのマラケシュで、「労働市場と気候変動は現在および将来の動向を左右する２大要因であり、それがインフレ率を２％に戻すことを非常に難しくすると思う。２％に戻るとすればそれは、リセッション（景気後退）と共に起こるだろう」と発言。

「そのようなことが起こらないよう願うが、これらの物価上昇圧力を回避するメカニズムと、インフレ率が迅速に２％に戻る道筋は今のところ見当たらない」と話した。

ECB Sees Economy Hardly Growing for Rest of 2023

Source: Eurostat, September 2023 ECB staff projections

Note: *Q2/2023 was revised from 0.3% to 0.1% on Sept. 9, after the ECBs cutoff date for its new forecasts

ＥＣＢの最新の経済予測では、消費者物価インフレは2025年下期に目標の２％に戻ると想定されている。

ホルツマン氏は「予測モデルが改善され、より正しくなったという主張があるが、私は確信していない」と述べ、モデルは構造的な変化を適切に反映していないと付け加えた。「１年後の予測は問題ないが、２年後、３年後の予測については、私は常に慎重だ」と語った。