ビッグ３の多額の自社株買い、ＵＡＷが問題視－投資家は再考迫られる

コンテンツにスキップする

2023年9月27日 11:43 JST

各社が自社株買いを一時停止しても構わない－ブランディワイン

• 自社株買いは労働の成果をウォール街に与えるようなもの－ＵＡＷ

ＧＭの施設の外でスト中のＵＡＷ組合員と支援者（ミシガン州、９月25日）

Source: Bloomberg

自社株買いは投資家に人気があり、経営陣の楽観的な見方や健全なバランスシートの表れと見なされることが多い。通常は市場に出回る株数が減るため、短期的な株価の押し上げ要因となる。

一方、労働団体は、企業が自社株買いを利用するのは株価を操作し、株を保有する経営幹部など既に裕福な投資家に見返りを与えることが目的だと主張する。ＵＡＷのマイク・ブース副会長は先週の米紙の論説で、自社株買いについて「われわれの労働の成果をウォール街に惜しげもなく与える」ようなものだとの見方を示した。

ＧＭは2010年の再上場以来、普通株142億ドル（約２兆1200億円）相当を買い戻したと明らかにしている。「われわれは成長のために投資した後、株主に資本を還元するために、他の多くの企業と同じように自社株買いや配当を利用してきた」と広報担当のジム・ケイン氏が説明した。

ステランティスは２月、記録的な通期業績を計上した後、年内に最大15億ユーロ（約2360億円）の自社株買いを計画していると発表。また、世界の従業員に20億ユーロ余りを再分配する方針も示している。同社はコメントで自社株買い戦略について詳しい説明を控えた。

フォードは配当支払いの方を好んでいるものの、ブルームバーグ集計のデータによると、12年から22年までに35億ドルの自社株買いを実施。同社はコメントを控えた。

関連記事：

• マスク氏、ＵＡＷの要求通ればビッグスリーの破綻につながると非難

• バイデン米大統領、ＵＡＷの賃上げ要求支持－「頑張れ」と励まし (1)