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概要:29日の米国株式市場は6月以来の大幅高。弱い経済指標を受けて米金融当局の引き締めが終わりに近づいているとの観測が強まった。
円は対ドルで4営業日ぶり反発、一時は147円37銭に下げる場面も
仮想通貨関連が高い、現物型ビットコインETF上場への期待で
29日の米国株式市場は6月以来の大幅高。弱い経済指標を受けて米金融当局の引き締めが終わりに近づいているとの観測が強まった。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4497.63 | 64.32 | 1.45% |
ダウ工業株30種平均 | 34852.67 | 292.69 | 0.85% |
ナスダック総合指数 | 13943.76 | 238.63 | 1.74% |
7月の米労働省雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数はこの2年余りで最も低い水準となる882万7000件に減少。市場予想の950万件を大きく下回った。前月分も916万5000件に下方修正された。
米求人件数、7月は約2年ぶり低水準-市場予想を大きく下回る (2)
8月の米消費者信頼感指数は106.1に低下。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想をすべて下回った。
米消費者信頼感指数、8月は予想以上に低下-物価高が重し (1)
S&P500種株価指数は構成銘柄の9割近くが値上がりし、節目として意識される4500に近づいた。テスラやエヌビディアなど大型株が買われ、ナスダック100指数は約2%上昇。暗号資産(仮想通貨)関連も買いを集めた。連邦高裁が米国初の現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の上場に道を開く判断を下したことが追い風となった。ビットコインは約7%上昇。米最大の暗号資産交換業者コインベース・グローバルが業界全体の上げを主導したほか、グレースケール・ビットコイン・トラストは17%急伸した。
現物型ビットコインETFに道、グレースケールがSECに勝訴 (1)
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は、米金融当局がデータ次第の姿勢を強調していることを踏まえると、今回の各指標を受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)の9月会合では金利が据え置かれる可能性が高いと指摘。「9月1日発表の雇用統計も減速を示す内容が見込まれており、米金融当局が利上げサイクルの終了に近づいているとの論拠を一段と強めるだろう」と述べた。
オアンダのシニア市場アナリスト、クレイグ・アーラム氏は、予想を下回る求人件数や前月分の下方修正など、米金融当局の視点に立てば、今週は好調な滑り出しになったと話す。向こう数カ月にさらなる弱含みの兆しが出てくることも「あり得る」とし、そうなれば労働市場の一段の減速や著しい賃金の伸び鈍化につながる可能性があるとみている。
ラザードのチーフ市場ストラテジスト、ロナルド・テンプル氏は今回のJOLTS統計は経済減速を示すさらなる証拠を提供したとして、「米金融当局者の祈りに応えるものだ」と述べた。
米国債
米国債利回りが大幅低下。求人件数や消費者信頼感指数の下振れを受けて、年内の米追加利上げ観測が後退した。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.23% | -5.2 | -1.21% |
米10年債利回り | 4.11% | -8.8 | -2.10% |
米2年債利回り | 4.89% | -15.6 | -3.08% |
米東部時間 | 16時39分 |
米金融政策見通しに敏感な2年債利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて4.87%を割り込み、8月11日以来の低水準をつけた。10年債利回りは一時10bp低下した。
360億ドル(約5兆2600億円)の7年債入札では最高落札利回りが4.212%と、2009年以来の高水準となったものの、入札前取引(WI)水準を約2bp下回った。
金利スワップ市場では、年内の利上げ観測が後退する一方、2024年前半の利下げ観測が強まった。11月のFOMC会合に連動するスワップ契約の金利は5.47%に低下し、25bp利上げを約56%の確率で織り込む。より早い時間には予想確率は約75%だった。24年のスワップ契約では、利下げ開始時期の予想が7月から6月に前倒しになった。
Fed Swaps Show Rate Cut Pricing Added Into Next Year
Swaps market anticipates a faster pace of rate cuts than the Fed
Source: Bloomberg
Change in Fed\'s interest-rate target implied by overnight index swaps and SOFR futures. Fed dots use interpolation.
市場の焦点は9月1日に発表される8月の雇用統計に移っている。非農業部門の雇用者数は17万人増と、前月の18万7000人増から伸びが鈍化する見込みだ。
ドイツ銀行のチーフ・インターナショナル・ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は、7月求人件数で見られた労働市場の減速傾向は8月の雇用統計で確認する必要があると指摘。その上で、労働市場の需給が強い水準からとはいえ、悪化している兆しが鮮明になったと述べた。
BMOキャピタル・マーケッツのベン・ジェフリー氏は、自発的離職者の割合である離職率の低下や予想を下回る消費者信頼感について「労働需要が弱含んでいる新たな兆候」だと指摘。これが債券相場を押し上げたと述べた。
為替
ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要10通貨に対して全面安。求人件数や消費者信頼感の悪化が売り材料となった。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1237.76 | -4.95 | -0.40% |
ドル/円 | ¥145.82 | -¥0.72 | -0.49% |
ユーロ/ドル | $1.0879 | $0.0060 | 0.55% |
米東部時間 | 16時39分 |
円は対ドルで4営業日ぶりに反発。午前の取引では147円37銭まで売られていたが、弱い米指標の発表を受けて切り返した。
円、対ドルで147円台前半に下落-トレーダーは介入リスク警戒
JPモルガン・チェースの為替アナリスト、パトリック・ロック氏は「これはまさに米金融当局が目指している労働市場の穏やかな減速だろう」と指摘。金利の反応は米金融政策当局が中立水準に緩めることができる時期について再考が続いている状況を反映しており、ドルにとってはマイナスの材料になると述べた。
原油
ニューヨーク原油先物相場は4営業日続伸。比較的振れの大きい値動きとなる中、株高を受けて相場が押し上げられた。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1バレル=81ドルを上回って終了。夏場で薄商いの中、高値と安値の差は2%余りに上った。
中国の国有銀行が住宅ローン金利を下げるほか、預金金利の引き下げを検討しているとの報道も原油相場の上昇に寄与。一方、海上輸送されるロシア産原油の量が8週間ぶりの高水準となったことで、上値は抑えられた。
中国の大手国有銀行、既存の住宅ローンに課す金利引き下げへ-関係者
現物市場では需給逼迫(ひっぱく)の兆候がなお示されている。米最大の原油貯蔵拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫は1月以来の低水準に落ち込んでいる。米国周辺で熱帯低気圧の発生が相次ぐ時期を迎えている中、石油精製品の原油に対するプレミアムも非常に高い水準にある。
サクソバンクの商品戦略責任者オレ・ハンセン氏は「原油はレンジ相場が続いており、燃料製品全般で需給がタイトな状態が継続していることが相場を下支えしている」と指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比1.06ドル(1.3%)高の81.16ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.07ドル(1.3%)上げ、85.49ドル。
金
ニューヨーク金相場は続伸。米国債利回りが低下したことを受けて、スポット価格は今月上旬以来の高値を付けた。
アーカシュ・ドシ氏らシティグループのアナリストは、金価格連動型の上場投資信託(ETF)の償還が今夏に急ペースで増える中、「金の投資家は相場上昇を促す短期の構造的カタリスト(触媒)を欠いている」とリポートに記した。
ドシ氏はその上で、金は依然として1オンス=1900ドル台前半という歴史的に高い水準で順調に取引されていると指摘した。シティは金相場が7-9月(第3四半期)、あるいは10-12月(第4四半期)の早い時期に底打ちし、2000ドルを上回った水準で年内の取引を終えるとみている。
金スポット相場はニューヨーク時間午後2時50分現在、前日比0.9%高の1オンス=1937.07ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は18.30ドル(0.9%)高の1965.10ドルで引けた。
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