ＥＣＢ、時期尚早な利上げ休止は経済にリスク＝ラトビア中銀総裁

欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は８月２６日、インフレとの闘いを早期に停止すれば、後に経済に一段の痛みを強いることになりかねないため、ＥＣＢが今利上げを休止するのは時期尚早である可能性があると指摘した。２０２２年１１月、首都リガで撮影（２０２３年 ロイター/Ints Kalnins）

[ジャクソンホール（米ワイオミング州） ２６日 ロイター] - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は２６日、インフレとの闘いを早期に停止すれば、後に経済に一段の痛みを強いることになりかねないため、ＥＣＢが今利上げを休止するのは時期尚早である可能性があると指摘した。

米ワイオミング州で開催されたカンザスシティー地区連銀主催の経済シンポジウム（ジャクソンホール会議）の合間にロイターのインタビューに応じた。

「現在得られている情報を考慮すれば、利上げを先送りして年内や来年初めにさらに大幅な措置を余儀なくされるリスクを冒すより、あと１回の小幅な利上げを行った方が安全と言える」と語った。

「利上げしすぎた場合は早期に利下げすることができるが、利上げが少なすぎれば、さらに利上げする必要が生じる可能性がある」とした。

その上で、９月１４日の理事会にはオープンな姿勢で臨むとし、新たなスタッフ予測を見て判断する必要があると述べた。

金利据え置きを決定したとしても、ＥＣＢの仕事はまだ終わっておらず、追加引き締めの可能性があることを明確にしなければならないと指摘した。

また、インフレ見通しが一貫して目標の２％を下回り始めたら、利下げを開始してもいいとの考えを示した。

市場が織り込む利下げ時期は２０２４年後半となっているが、総裁はこれについて、マクロ経済見通しと矛盾するとは考えていないと述べた。