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概要:25日の米株式相場は反発。相次ぐ連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言を消化しながら水準を切り上げた。パウエルFRB議長は追加利上げの是非について「慎重に政策を進めていく」スタンスを強調すると同時に、引き締め政策がより長期に及ぶ可能性も示唆した。
パウエルFRB議長、必要に応じた利上げの用意と高金利維持を示唆
ラガルドECB総裁、インフレ抑制へ必要な限り高水準の金利維持へ
25日の米株式相場は反発。相次ぐ連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言を消化しながら水準を切り上げた。パウエルFRB議長は追加利上げの是非について「慎重に政策を進めていく」スタンスを強調すると同時に、引き締め政策がより長期に及ぶ可能性も示唆した。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4405.71 | 29.40 | 0.67% |
ダウ工業株30種平均 | 34346.90 | 247.48 | 0.73% |
ナスダック総合指数 | 13590.65 | 126.68 | 0.94% |
S&P500種株価指数は週間ベースで7月以来の大幅上昇となった。
パウエル議長はインフレ率を目標水準に下げるプロセスについて「まだ先が長い」と述べた。同時に次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では金利を据え置く可能性も示唆した。投資家も据え置きを予想している。
RBCウェルス・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・ストラテジスト、トム・ギャレットソン氏は「しばらく前からそうだが、パウエル氏は何も新しいことを市場に提供しなかった。それが目標だった可能性は高い」と指摘。「市場の反応は、FRBの利上げは近く終了する可能性が高いが、経済データ次第で追加で動く用意は依然あるという考えと整合的なようだ」と述べた。
トレードステーションのデービッド・ラッセル氏は「パウエル議長講演は今のところ、市場にほとんど影響していない」と指摘。「ハト派陣営に希望がもたらされたのは、現在の政策が景気抑制的であり、時間をかけてさらに影響が及ぶ可能性があると議長が認識したことだ。しかし景気と雇用市場の過熱が続けば再び鉄槌を下すと、議長は脅しもした。しばらくは統計を見ながらの毎日になりそうだ」と述べた。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、引き締めの累積効果をシステムに浸透させるため、政策金利を現行水準に据え置くことが望ましいとの見方を示唆した。クリーブランド連銀のメスタ-総裁はCNBCとのインタビューで、コアインフレは依然として高過ぎ、着実に2%に低下するよう政策当局は「懸命に」取り組む必要があるだろう述べた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、大規模なリセッション(景気後退)を引き起こさずにインフレを低下させる「黄金の道」が見えると述べた。
動画:ジャクソンホール会合で講演するパウエルFRB議長
出所:ブルームバーグ
エヌビディアの好決算にもかかわらず24日の米国株式相場が下げたのは、今年の上昇勢いが「尽きた」ことを示していると、モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏が指摘。今後さらなる下落が予想されるという。
「市場は良いニュースで天井に達し、悪いニュースで底入れする」とウィルソン氏。エヌビディアについて「あの会社から出たニュースとして、これ以上良いものは考えられない」と述べ、株式相場が上昇できなかったことは、「上昇勢いが尽きたことを示す、新たなテクニカル的なサインだ。これで人々が熱狂するような新しいテーマが必要になるが、それが何になるのか私には分からない」と話した。
個別銘柄では、ボーイングが737MAXの中国への納入を4年ぶりに再開する準備を進めていると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。食料品配達プラットフォームのインスタカートはナスダックへの新規株式公開(IPO)を申請した。ソフトバンクグループ傘下の半導体設計会社、英アーム・ホールディングスに続く注目企業の上場で、IPO市場の活性化を後押ししそうだ。
米国債
米国債相場は方向感が定まらない展開。10年債はほぼ変わらず。パウエル議長が必要とあれば金利を追加で引き上げる用意があると述べたことから、短期債が比較的軟調となった。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.28% | -2.3 | -0.53% |
米10年債利回り | 4.23% | -0.6 | -0.14% |
米2年債利回り | 5.07% | 5.1 | 1.01% |
米東部時間 | 16時51分 |
ウィズダムツリーの債券戦略責任者、ケビン・フラナガン氏は「パウエル議長の講演で突出していたのは、トレンドを上回る成長と労働市場への言及だった」と話す。「これまでのような雇用の数字が続けば、追加利上げという選択肢が残されている」と述べた。
米2年債利回りと10年債利回り
出所:ブルームバーグ
先物市場は9月の金利据え置きの後、11月に0.25ポイントの利上げがある確率をおよそ3分の2として織り込んでいる。
コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツの金利ストラテジスト、エド・フセイニー氏は期間が短めの米国債への圧力が強まる環境が整いつつあるとみている。最近のデータを基に、政策当局者らが9月会合で自分たちの予測を上方修正する可能性が高いと考えられることが理由。「つまり2年債利回りは上昇するということだ」と述べた。
外為
ユーロはこの日の下げ幅を縮小する展開。ラガルド欧州中央銀行(ECB)はインフレ率を目標値へ引き下げるため必要に応じて金利を高水準に設定し、必要な限りその水準に維持すると述べた。パウエル議長講演を受けてドルは続伸。対円では一時146円63銭まで上昇した。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1243.34 | 0.96 | 0.08% |
ドル/円 | ¥146.44 | ¥0.61 | 0.42% |
ユーロ/ドル | $1.0794 | -$0.0016 | -0.15% |
米東部時間 | 16時51分 |
INGフィナンシャル・マーケッツのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏はパウエル議長の講演後、「9月は据え置きで決まりだが、強い成長は追加利上げのドアが依然開いていることを意味する」と指摘。「市場は最終利上げがある確率を半々とみているが、当社ではピークを打った可能性が高いと考える」と述べた。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシニア通貨アナリスト、リー・ハードマン氏は「インフレと雇用の伸びがさらに減速するという想定の下、9月は金利が据え置かれると当社は今も予想する」と話す。「米金利市場で9月据え置きがすでに織り込まれていることから、ドルが最近の上昇軌道から外れるとは考えにくい」と述べた。
ユーロ・ドルのスポット相場(週間ベース)
出所:ブルームバーグ
ブルームバーグ・ドル指数は週間ベースで上昇し、2022年5月より後では最長の6週連続高。ドルは対円では4週連続高。
原油
ニューヨーク原油相場は週間で下落し、これで2週連続の値下がりとなった。今週は薄商いの中、原油供給が増えるとの見方や世界の需要見通しの悪化が意識された。
米国がイランとベネズエラに対する制裁を緩和するとの見方が広がる中、6月から相場を押し上げてきた供給逼迫(ひっぱく)のシナリオは後退した。一方、中国の成長減速と欧州経済に関する低調なデータは需要見通しを曇らせている。現物市場を見ると、マラソン・ペトロリアムは火災を受けて、米国で3番目に大きい製油所を閉鎖する。
25日の原油相場は上昇。パウエルFRB議長の講演で示された政策金利の道筋がトレーダーの予想とおおむね一致した。このほか、中国は居住用不動産市場のてこ入れを目的とした住宅ローン政策の追加緩和を公表した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比78セント(1%)上昇の1バレル=79.83ドルで終了。週間では1.7%下げた。ロンドンICEの北海ブレント10月限はこの日1.12ドル高の84.48ドル。週間では0.4%安だった。
金
ニューヨーク金相場は下落。パウエルFRB議長が、必要に応じて追加利上げの用意があるとの見解を示したことに反応した。
パウエル氏はまた、インフレ率が目標の2%に向けた軌道を進んでいると確信するまで、政策金利を高水準に維持する考えを示した。
パウエルFRB議長、必要に応じて追加利上げの用意-高金利維持へ (2)
TDセキュリティーズの商品戦略世界責任者、バート・メレク氏は「インフレを目標に戻すため米金融当局は政策を長期にわたってより引き締まった状態で維持すると、市場はみている」と指摘。「再び利上げする可能性はあるが、しないかもしれない。データに左右されるだろう。これは、このところ見られた金の上昇が反転し、最近付けた安値を割り込む可能性があることを示唆する」と述べた。
金スポット相場はニューヨーク時間午後2時22分現在、前日比0.2%安の1オンス=1913.45ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は7.20ドル(0.4%)安の1939.90ドルで引けた。
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