米スカルプターに合併の記録開示要求－創業者オク氏、現経営陣と対立

ヘッジファンド運用の米スカルプター・キャピタル・マネジメントがリズム・キャピタルを合併相手に選んだ経緯を調べるため、スカルプター創業者のダン・オク氏が帳簿や記録の開示を同社に要求している。スカルプターは旧オクジフ・キャピタル・マネジメント。

オク氏と他の元幹部４人は米証券取引委員会（ＳＥＣ）への22日の届け出で、今週公表されたスカルプターの委任勧誘状には「誤解を招く不完全な説明がなされているようだ」と指摘。同社の特別委員会が「依然として経営陣の言いなりで、株主の最善利益のために行動していない」ことを示していると主張した。

スカルプター・キャピタルに対しリズム・キャピタルを合併相手に選んだ経緯を調べるため、ダン・オク氏が帳簿や記録の開示を要求している

Source: Bloomberg

スカルプターのジミー・レビン最高経営責任者（ＣＥＯ）と同社大株主の一人オク氏は対立。オク氏と他の創業パートナーは、レビン氏の給与体系に反対しており、最近ではスカルプターの経営陣が株主に損害を与えながら現経営陣に利益をもたらす取引に同意するよう買い手候補に影響を与えようとした可能性があると論じている。

スカルプターはオク氏のグループがリズムよりも魅力的な提案を阻止したと主張。オク氏側は22日の届け出で、「株価上昇につながる可能性のある複数の買収案は、経営陣と極めて高い報酬が維持されるという十分な保証を提供しなかった」ため特別委員会が拒否したと反論している。

届け出によると、オク氏らの記録提出要求は、取引の承認やその公正さ、特別委員会の独立性、公開情報開示の正確さに関係する「受託者義務違反など不正行為の可能性」に関する調査に寄与する。オク氏側は取締役会の議事録や録音、プレゼンテーション記録などを求めている。

22日の届け出では、リズムは当初１株当たり12ドルの買収に同意していたが、上級幹部の報奨金と人材引き留めプランに予想以上の出費が必要となるため、その提示額を減額。オク氏側は特別委員会が取引を承認するため同氏らを合併承認の株主投票から除外しようとしていると非難した。

ボアズ・ワインスタイン、ビル・アックマン両氏らはスカルプターに対し、リズムの買収提示額１株当たり11.15ドルを上回る12ドル強での買収案を示していたが、スカルプターはこれを拒否。米紙ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）が以前報じたところによると、ワインスタイン氏らはスカルプター経営陣の交代を求める可能性が高かった。