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概要:元財務官でインド経済研究所理事長の榊原英資氏は、円安傾向が続く為替市場に関して、「近い将来に為替介入があるとは考えていない」と述べた。「財務省は足元の市場の状況について、合理的に満足していると思う」とも話した。
[東京 7日 ロイター] - 元財務官でインド経済研究所理事長の榊原英資氏は、円安傾向が続く為替市場に関して、「近い将来に為替介入があるとは考えていない」と述べた。「財務省は足元の市場の状況について、合理的に満足していると思う」とも話した。
8月7日、元財務官でインド経済研究所理事長の榊原英資氏(写真)は、円安傾向が続く為替市場に関して、「近い将来に為替介入があるとは考えていない」と述べた。
ドル/円相場については米経済の状況次第としつつも、米国の利上げサイクルが終了に近付いていることを背景に、緩やかにドル安・円高が進行し2023年末には130円前後と予想した。
同水準は「日本経済にとって適切」との考えも示し、政府・日銀が懸念することはない、とした。
インタビューの詳細は以下の通り。
――日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)柔軟化について、どういう受け止めか。
「あくまでも金融緩和の持続性を高めるための運用で、今の段階では妥当な判断だろう。市場の反応としても、日銀の決定を好感しているのではないか。しばらくは緩和が続くということで、安心感が広がったのではないか」
――日銀が政策修正に転じるタイミングはいつ頃とみているか。
「それは非常に難しいが、当面は緩和を続けるだろう。ただ、日本経済は成長率も高くなっているので、経済が過熱する可能性もある。そうなれば、日銀は引き締めに入る。おそらく、来年の末くらいには緩和から引き締めに転じる可能性があると多くの人はみている」
――為替動向についての見方は。
「日米の経済状況からみると、米国は利上げをやめて利下げに入る局面なので、ドル安/円高の局面に入ってきている。今年の末くらいまでには130円前後の円高になるというのが一般的な見方で、この傾向は、しばらくは変わらないのではないか。ただ、一気に円高方向にいくということではなく、緩やかに130円前後に向かっていくだろう」
――市場では為替介入への関心が高いが、介入についてはどのような見方か。
「近い将来、為替介入が起こるとは考えていない。財務省は足元の市場の状況について、合理的に満足していると思う。なので、(市場に対して)警戒感を示すなどの介入を想定していない。(仮にドルが130円まで円高が進んだ場合)130円は相対的に快適な水準だと思う。財務省や日銀が心配するようなレベルではなく、日本経済にとって適切な水準ではないか」
――国内の物価状況をどう捉えているか。
「足元は物価高というより、『デフレの終焉』というコンテクストで捉えるのが良いのではないか。デフレではない状況、つまり、高いインフレではないが1―3%程度の緩やかなインフレが次第に定着していくのではないか」
*インタビューは4日に行いました。
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