英中銀総裁、「最後の１マイル」には長期の景気抑制的な金利必要

イングランド銀行（英中央銀行）のベイリー総裁は３日、英国がインフレとの闘いで勝利を宣言するのは時期尚早であり、インフレ退治の最終局面には長期にわたる景気抑制的な金利が必要だとの認識を示した。

同総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、金融引き締めの「最後の１マイルというのが政策が実際に機能する部分だということは明らかであり、われわれは景気抑制的な政策を維持する必要がある」と指摘し、「インフレ率を下げる効果を保つには引き続き景気抑制的であり続けなければならないだろう。特に来年はそうだ」と語った。

英中銀、政策金利5.25％に引き上げ－引き締めは長期必要と警告

The Bank of England Sees Inflation Dropping To 2% in Over 2 Years

Years needed for inflation to drop to 2% according to BOE at each meeting

Source: Bank of England

ベイリー総裁はインフレとの闘いで勝利宣言するのは「早過ぎる」としながらも、インフレ率は「下降傾向にある」と「はるかに強く確信している」と述べ、「私が目にしているのはインフレ率が下がってきているというより確かな証拠だ」と話した。

英中銀は３日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、15年ぶり高水準の5.25％とした。ただ、利上げ幅は６月の0.5ポイントから縮小した。

今回の決定を受けて市場は追加利上げ観測を後退させたが、金融政策委員会（ＭＰＣ）が９月に開く次回会合で金利がさらに0.25ポイント引き上げられることはほぼ織り込み済みだ。投資家は金利が5.75％前後でピークに達すると予想している。

英国でのインフレ圧力はより根強いが、ベイリー総裁はＣＮＢＣとのインタビューで、英中銀はインフレ退治において米連邦準備制度や欧州中央銀行（ＥＣＢ）と「同じ場所にいる」と語った。