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概要:メタ傘下のInstagramが先ごろリリースしたSNS「Threads(スレッズ)」は開始5日で1億人が登録しました。その勢いにはメタの従業員も驚いており、Instagramの責任者は「常軌を逸した」成長だとThreadsに投稿しています。一方、強力なライバル登場にイーロン・マスク率いるTwitterは頭を悩ませているようです。
新アプリThreadsが好調な滑り出しのマーク・ザッカーバーグ(左)に対し、イーロン・マスク(右)はTwitter上で口汚い物言いも。
Christophe Morin/IP3/Getty Images; Chesnot/Getty Images
メタ(Meta)傘下のInstagram(インスタグラム)はアメリカ東部時間の7月5日、Twitter(ツイッター)の競合となるテキストベースのSNS「Threads(スレッズ)」をリリースした。
当初、メタ従業員たちがThreadsに寄せる期待は比較的低いものだった。Twitterの従業員でさえ、新たな競合の登場をたいして気にも留めていなかった。
しかし状況は一変した。Threadsがサービスを開始してわずか5日後には、メタのマーク・ザッカーバーグCEO(Mark Zuckerberg)は、1億人以上がThreadsに登録し、その成長は「ほとんどがオーガニックな需要」だと投稿した。これにより、Threadsは史上最速で成長しているプラットフォームとなった。
「とても驚いています。みんなも同様です」と、Threadsのユーザー数の急成長について感想を漏らすのは、Threadsの開発に直接携わったわけではないがリリースには関わったというメタの従業員だ。
この人物によれば、ThreadsはInstagramのチームが開発したアプリなだけに、数百万人、ことによると1000万人のユーザー数くらいはすぐに獲得できるのではないかとメタの従業員たちは予測していたという。InstagramのDAU(1日あたりのアクティブユーザー数)は約20億人。メタは、これらのユーザーがThreadsを使い始める際に、InstagramでフォローしているアカウントをThreadsでもフォローしやすくした。
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)にとっても、ユーザー数1億人突破は予想外だった。モッセーリは自らのThreadsに、この成長は「常軌を逸したもの」で「どうにも理解できない」と投稿している。
Twitterに詳しい人物によれば、今や同社の従業員の間でThreadsは、「多くの人々がイーロン(・マスク)の失敗を願っている」状況下での「初めての真っ当な競合」だと認識されているという。
気まぐれな億万長者であるイーロン・マスク(Elon Musk)は、2022年10月末にTwitterを買収すると、熱心なユーザーと従業員を多く持つこのアプリに混乱をもたらした。マスクによる買収以降、何千という単位の従業員がレイオフもしくは解雇の憂き目に遭っている。
Twitterの元従業員はこう語る。
「ザッカーバーグにTwitterを倒してほしいとは思わなかったが、現実にそうなってしまった」
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Threadsはガチの競合
Insiderは、ブラインド(Blind)による非公開の世論調査の結果を確認した。それによると、「ThreadsがTwitterを打ち負かすと思うか」という問いに対し、約200人のTwitter従業員のうち70%近くが「そう思う」と回答したという。ブラインドはテック系ワーカーに人気があり、このアプリでは認証済みの業務用メールアドレスを持つ人だけがプライベートフォーラムに参加できる。
Twitterのある社員は、ブラインドに投稿した別のプライベート投稿でThreadsのことを「ガチの競争相手」と呼んでいる。そして、このアプリをInstagramとリンクさせることで即座に「価値の高いユーザーやセレブがグラフに現れる」と述べ、こう続ける。
「平均的なユーザーは、ネットワーク効果とコンテンツにしか関心がない。まったく、ザックはメタバースの心配をしていればいいのに」
Twitterの関係者はマスクを含め、1週間足らずでThreadsに1億人ものユーザーが集まるとは予想していなかったと、関係者の一人は語る。マスクはすぐに守勢に転じ、ザッカーバーグに一見法的根拠が弱そうな停止命令書を送ったり、Instagramへの嫌悪感をつぶやいたりした。
ザッカーバーグがThreadsの日々の成長について投稿し続けると、マスクはザッカーバーグを「裏切り者」と呼び、彼に対して「ペニスの計測コンテスト」を挑んだりした。
マスクとTwitterの新CEOであるリンダ・ヤッカリーノ(Linda Yaccarino)は、7月4日にTwitterの閲覧数制限に驚いた従業員をほぼ無視したのと同じく、Threadsについて公式には言及していない。
Twitter上ではヤッカリーノも守勢に回っていたが、やはりマスクよりもプロフェッショナル然とした態度で臨んでいる。
ヤッカリーノは7月7日の投稿でThreadsにいて、「私たちはよく真似をされるが、Twitterのコミュニティは決して真似できない」と言及している。また、同10日にはTwitterが最近「2月以来最大の利用」を記録したと投稿しているが、具体的な数字は明らかにしていない。
同じツイートでヤッカリーノは「Twitterは唯一の存在。それはみんな知っているし、私も承知している」と付け加え、マイクの絵文字(編注:わざとマイクを落とすジェスチャーは、講演やスピーチの最後に『もう誰の言葉もいらない』という意味合いで勝利をアピールするときに用いられる)で投稿を締めくくっている。
一方、今もTwitterで働く従業員たちは「黙々と決済と動画に取り組もうとしている」と、同社に詳しい人物は明かす。マスクはTwitterの動画機能を強化し、Twitterを中国のWeChatのような「スーパーアプリ」にしようとしている。
メタにとっては大チャンス
すでにウォール街は、Threadsがメタの新たな収益源となる可能性に期待している。メタの株価は7月7日に294ドルをつけ、年初来高値を更新した。
エバーコア(Evercore)ISIでインターネットリサーチを担当するマーク・マヘイニー(Mark Mahaney)が先ごろ出したメモによれば、ThreadsはInstagramのDAUの10%、つまり1日あたりのユーザー数が2億人に達することも考えられ、これは現在のTwitterのDAU2億5000万人に迫る勢いだと記している。
別の情報筋の話では、Threadsは収益を上げていないものの、アプリ開発のコストもメタにとっては「ほぼゼロ」だという。アプリを開発したエンジニアチームはわずか15人で、Threadsはチーム全体でもわずか50人に過ぎない。ThreadsはInstagramの既存のインフラを使って運営されているからだ。また、同社に詳しい関係者2人の話では、メタはThreadsに登録したり投稿したりするクリエイターやセレブに報酬を支払っていない。
マヘイニーの試算では、Threadsが2億人のユーザーを獲得すれば、メタには年間80億ドル(約1兆1200億円、1ドル=140円換算)の追加収入がもたらされる。これはTwitterがこれまでに生み出してきた収益の累積額よりも多い数字だ。Twitterは2021年に50億ドル(約7000億円)の収益を上げたが、これは過去最高だった年であり、上場企業として収益を報告した最後の年でもある。マスクによる買収後、Twitterの中核をなす広告事業は壊滅的な打撃を受けている。
マヘイニーは次のようにも記している。
「Twitterの混乱した経営は、競合アプリにチャンスを開いた。メタは相手の現況と、20億人を超えるDAUを持つ大規模なコミュニティを利用して賢く立ち回り、メタの現在の事業にとってマイナス要素がほとんどない新アプリを幸先よくスタートさせている」
なお、メタとTwitterにコメントを求めたが回答は得られなかった。
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