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概要:6日の米株式相場は続落。米民間雇用データが予想外に強い内容となり、米債券利回りが急上昇したことを受け、売りが膨らんだ。米金融当局の次なる一手を見極めようと、市場は7日発表の雇用統計に注目している。
Peyton Forte、Isabelle Lee
2023年7月7日 5:52 JST
円はドル高の流れに逆行、YCC巡る日銀副総裁の発言で
米2年債利回り5%突破、10年債は4%台に上昇
6日の米株式相場は続落。米民間雇用データが予想外に強い内容となり、米債券利回りが急上昇したことを受け、売りが膨らんだ。米金融当局の次なる一手を見極めようと、市場は7日発表の雇用統計に注目している。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4411.59 | -35.23 | -0.79% |
ダウ工業株30種平均 | 33922.26 | -366.38 | -1.07% |
ナスダック総合指数 | 13679.04 | -112.61 | -0.82% |
S&P500種株価指数は一時1.4%安となったが、その後は下げ幅を縮めた。ADPリサーチ・インスティテュートが発表した6月の民間企業の雇用者数は49万7000人増え、伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の倍以上となった。チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した6月の人員削減数は減少した。金利スワップ市場は、7月26日までの0.25ポイント利上げの可能性をほぼ完全に織り込んだほか、年内さらにもう1回利上げが行われるとの見方も強まった。
米民間企業、6月に50万人近く雇用増やす-過去1年余りで最速 (2)
米人員削減数、6月は昨年10月以来の低水準-上期では2020年来の多さ
個別銘柄では、米石油大手エクソンモービルが安い。天然ガス価格の下落と精製マージンの低下で第2四半期(4-6月)利益が前四半期比で約40億ドル下押しされるとの見方を示したことが嫌気された。エヌビディアやテスラなど、今年に入り値上がりが目立つ銘柄の一角も売られた。
データの発表を受けて、市場に衝撃が走った。
ホライゾン・インベストメンツのスコット・ラドナー最高投資責任者(CIO)は「米労働市場の力強さは信じがたいほどで、米経済がリセッション(景気後退)入りするとの見方は一段と後退するはずだ」と述べた。
米ダラス連銀のローガン総裁はこの日、インフレはなお高過ぎるとし、追加利上げが必要になる可能性が高いとの認識を示した。
ダラス連銀総裁、インフレ抑制にはさらなる利上げが必要と指摘
CIBCプライベート・ウェルス・マネジメントのデービッド・ドナベディアンCIOは「米経済は止められない貨物列車であり、米金融当局はさらなる対応を迫られるとの見方から、売りが膨らんでいる」と指摘。その上で「債券市場は明らかに、株式以上に劇的な反応を示している」と述べた。
米国債
米国債相場は急落。2年債利回りは2007年以来の水準に跳ね上がった。米雇用やサービス業に関する指標が強い内容となり、米金融当局が今月、利上げを再開するとの見方が固まった。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.00% | 6.6 | 1.69% |
米10年債利回り | 4.03% | 9.6 | 2.43% |
米2年債利回り | 4.98% | 3.2 | 0.65% |
米東部時間 | 16時50分 |
米供給管理協会(ISM)が発表した6月の非製造業総合景況指数は4カ月ぶりの高水準となり、予想を上回った。雇用指数の改善が支援した。
米ISM非製造業景況指数、6月は4カ月ぶり高水準-受注が加速 (1)
2年債利回りは一時17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、5.12%。3月8日に付けた今年の最高である5.08%を上回り、2007年以来の高水準となった。10年債利回りは4.08%に上昇し、年初来の高水準に迫った。米国債急落の影響は複数の国債市場に波及。英10年債利回りは2008年以来の水準に跳ね上がった。
米2年債利回りが5%突破、2007年以来の高水準-10年債は4%超え
アメリベット・セキュリティーズの米金利トレーディング・ストラテジー責任者、グレゴリー・ファラネロ氏は「米金融当局にはまだやるべき仕事が少し残っており、市場はそれを織り込んでいる」と指摘。「景気後退に関していつまでも語ることはできるが、(とりわけ雇用など)重要な分野では短期的なデータの上振れが続いている」と述べた。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者スバドラ・ラジャッパ氏は「英国が最も顕著だが、一段とタカ派姿勢を強める世界の主要中銀の流れにわれわれも巻き込まれているようだ」と指摘。「金利上昇にもかかわらず、雇用市場は力強さを維持しており、インフレの鈍化ペースも緩慢だ」と述べた。
外為
外国為替市場ではドルが上昇。強い指標を受けて米追加利上げ観測が高まり、2年債利回りが急上昇したことが追い風となった。G10通貨のうち、円は対ドルで最も好調なパフォーマンスとなった。日本銀行の内田真一副総裁の発言が円を押し上げた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
ブルームバーグ・ドル指数 | 1235.20 | 0.58 | 0.05% |
ドル/円 | ¥144.08 | -¥0.58 | -0.40% |
ユーロ/ドル | $1.0891 | $0.0037 | 0.34% |
米東部時間 | 16時50分 |
副総裁は日本経済新聞のインタビューで、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の修正について、金融仲介や市場機能に配慮しつつ、いかにうまく金融緩和を継続するかという観点から「バランスをとって判断していきたい」と述べた。
日銀内田副総裁、YCC修正はバランスとって判断-報道
円はドルに対して0.8%高の1ドル=143円56銭まで買われた。
クレディ・アグリコルCIBのG10為替調査・戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏は「顧客の間では、日銀が最新の物価見通しを示す7月の会合で政策変更が行われることを示唆するとの見方も出ている」と指摘。その上で「内田氏の発言は少なくとも日銀がYCC終了後について検討していることを示す兆候だと受け止められそうだ」と述べた。「全体的なリスク回避ムードも円の追い風になった」という。
一方、RBCキャピタル・マーケッツは年末時点のドル・円相場の見通しを従来の145円から150円に引き上げた。
年末ドル・円予想を150円に上げ、YCC終了過度に重視せず-RBC
原油
ニューヨーク原油先物相場は辛うじてプラス圏で終了。サウジアラビアの原油販売価格引き上げや、金融市場全体に広がるリスクオフのセンチメントといった相反する材料が交錯し、荒い値動きとなった。
サウジは6日、全ての輸出先を対象に主力油種であるアラビアンライトの公式販売価格(OSP)を引き上げた。需要への自信を示した格好。これを受けて当限と第2限月の価格差であるプロンプトスプレッドがタイト化。低迷していた大西洋海盆の原油に買いが向かい、北海ブレントと米原油市場が引き締まるとの観測が背景にある。
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダーのレベッカ・バビン氏は「サウジは減産のために油種間でミスマッチが生じていることに気づき、OSPを引き上げ、他の地域の原油を買わせることで地域別油種を調整しようとしているのだろう」と解説した。
一方で強い雇用関連統計の発表で利上げ継続観測が補強され、金融市場全体にリスクオフのセンチメントが広がったことは、原油価格を下押しした。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は2ドルのレンジで取引され、総じて株式相場の動きに追随した。
金スポット価格
出所:ブルームバーグ
利上げ観測の広がりをきっかけに、金を裏付けとする上場投資信託(ETF)から資金が流出、金相場への圧迫を強めた。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時13分現在、前日比0.3%安い1オンス=1910.09ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は同11.70ドル(0.6%)下げて1915.40ドル。
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