简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:米国市場では今年に入って株式が債券を大きくアウトパフォームしている。これで投資家は、近いうちに資産配分の再調整が検討課題になると思うかもしれない。だが過去の例を見ると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが打ち止めになれば、むしろ株式投資を拡大すべきことが分かる。
[オーランド(米フロリダ州) 6日 ロイター] - 米国市場では今年に入って株式が債券を大きくアウトパフォームしている。これで投資家は、近いうちに資産配分の再調整が検討課題になると思うかもしれない。だが過去の例を見ると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが打ち止めになれば、むしろ株式投資を拡大すべきことが分かる。
米国市場では今年に入って株式が債券を大きくアウトパフォームしている。これで投資家は、近いうちに資産配分の再調整が検討課題になると思うかもしれない。だが過去の例を見ると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが打ち止めになれば、むしろ株式投資を拡大すべきことが分かる。写真はニューヨーク証券取引所のトレーダー。6月29日撮影(2023年 ロイター/Brendan McDermid)
もっともそれには1つただし書きが付く。政策金利のピークから1年以内に景気後退(リセッション)が到来すればこのシナリオは覆されるのだ。1970年代半ばと2000年代初めがまさにそうだった。
年内にも終了する可能性がある現在の利上げサイクルは非常に異質なので、過去との比較は難しい。とはいえ以前の利上げサイクルに目を向けると、政策金利がピークに達してからの1年間は、株式の債券に対する優位性が強まる傾向が読み取れる。
これは、より保守的、もしくはパッシブ型の運用をしている投資家にも有益と言える。相対的な株価の強さは、株式60%:債券40%という典型的なポートフォリオの成績を向上させてくれるからだ。
調査会社Yチャーツはそれぞれ1999─2000年、2004─06年、2018─19年の利上げサイクルと、その後12カ月にわたる3種類のポートフォリオのリターンを分析した。その結果は、ITバブル崩壊と1999─2000年の利上げサイクル終了後の株価急落を考慮に入れても、全体として株式の方が債券よりも値動きが良かった。
株式100%、債券100%、株60%:債券40%という3種類のポートフォリオの平均リターンは12.75%、9.10%、11.09%。
2004─06年と18─19年のサイクルにおける値動きは非常に似ている。利上げ停止後の12カ月間の株式100%のリターンは26%前後、債券100%は6─8%、株式60%:債券40%は18%前後だった。一方、以下のテーブルが示すように、1999─2000年は特異な動きだった。
Yチャーツのシニア・マーケティング・アナリスト、ジョー・クレベン氏は、FRBの最後の利上げ前数カ月で株価上昇の勢いは鈍るものの、それから再加速すると指摘。「一般的に行って、FRBの利上げ停止後は株式の方が債券よりも値上がり幅が大きい」と話す。
この傾向は、06年のようにFRBが政策金利を長期間据え置くか、19年のようにすぐ利下げに転じるかにはあまり関係しない。
そして現在の利上げサイクルが過去3回と異なっているのは、40年前のボルカー総裁時代のFRB以来の急激なペースというだけでなく、株式100%と債券100%、株式60%:債券40%という全てのポートフォリオのリターンがマイナスに沈んでいる点にある。
<鍵はリセッション>
株式は昨年3月にFRBが利上げを開始してからの期間で見ると、ほとんど上昇していない。それでも特に直近の底値を起点にした場合、株式が債券をアウトパフォームしている事実は変わらない。
S&P総合500種とナスダック総合は昨年10月の底値からそれぞれ27%と37%上昇し、超大型IT銘柄で構成するNYSE・FANGプラスは11月の底値に比べて90%余りも高くなった。
これに対してICE・BofAブロード・アグリゲート米国債指数は10月の底値からの上昇率が5%にとどまり、昨年3月からの期間ではなおマイナス10%前後と低調だ。
この足元までの値動きからすると、今株式を買っても利益を得られる余地は乏しいと推察されるかもしれない。しかし今年11月までに5.40%近辺に達して終了すると見込まれる利上げサイクルの先まで見据えれば、その逆の見方が正解ではないだろうか。
トゥルーイストのシニアアナリスト、シェリー・シンプソン氏も、市場が大荒れとなったボルカー総裁時代の1980年代初め以外の過去6回の利上げサイクルと、政策金利がピークを付けてから1年間の3種類のポートフォリオのリターンを調べている。
そこでもパターンは変わらなかった。6回のうち4回では、S&P総合500種のリターンは18.9─34.7%と債券を大幅に上回ったのだ。
ただ1970年代半ばと2000年代初めだけは、ブロード・アグリゲート米国債指数に基づく債券のリターンが9.7%と13.1%に高まり、株式をしのいでいる。
株式60%:債券40%のポートフォリオのリターンは6回中5回で2桁を確保し、1990年代半ばは25%だった。注目すべきなのは恐らくこの時期に、FRBの政策運営の歴史で唯一、米経済のソフトランディング(軟着陸)が成功したとみられることだ。
6回のうち2000年代初めだけは、ITバブルが崩壊してリセッションに突入するとともに株式60%:債券40%のポートフォリオのリターンはマイナス1.3%に沈んだ。
シンプソン氏は「60%:40%のポートフォリオはFRBの利上げ停止後に成績が好調となる傾向がある。だがたった1回の例外が2001年で、当時はリセッションだった。FRBの利上げ停止後の総じて前向きな値動きにとって、このリセッションがリスクになる」と述べた。
景気サイクルやFRBの政策対応、物価動向、資産価格の変動はいずれも、過去と全く同じ展開になることはない。FRBが利上げを終えた後、市場がどうなるか確実に知ることも現実には不可能だ。
それでもリセッションを避けられるとすれば、株式に投資するのが引き続き得策かもしれない。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。