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概要:米ナスダックは12日、プライベートエクイティ(PE)会社トーマ・ブラボー傘下で金融ソフトウエアを提供しているアデンザを105億ドルで買収することに合意した。ナスダックが手がけた買収案件としては過去最大規模で、フィンテック事業をさらに拡大する狙いだ。
米ナスダックは6月12日、プライベートエクイティ(PE)会社トーマ・ブラボー傘下で金融ソフトウエアを提供しているアデンザを105億ドルで買収することに合意した。
[12日 ロイター] - 米ナスダックは12日、プライベートエクイティ(PE)会社トーマ・ブラボー傘下で金融ソフトウエアを提供しているアデンザを105億ドルで買収することに合意した。ナスダックが手がけた買収案件としては過去最大規模で、フィンテック事業をさらに拡大する狙いだ。
アデンザのリスク管理や規制対応ソフトは主に銀行や証券会社に利用され、取引所運営以外の分野にナスダックの事業を多角化する手助けになるとみられる。ナスダックは近年、アデナ・フリードマン最高経営責任者(CEO)の下で幾つかフィンテック関連企業の買収を行っており、今回もその流れの一環と位置付けられている。
ただアデンザの買収合意発表後にナスダック株は急落し、投資家が買収額を割高とみなしている様子がうかがえる。
モーニングスターのアナリスト、マイケル・ミラー氏は顧客向けノートで、ナスダックが決めた買収額には重大な懸念を持っていると述べた。
ナスダックによるアデンザの評価額は2023年予想売上高のほぼ18倍。規制当局の承認が得られた場合、59億ドルの社債を新規発行する計画で、ミラー氏によると、既に過去の買収で高水準に達しているナスダックの借入金比率は、これでさらに大きく跳ね上がるという。
S&Pグローバル・レーティングスもナスダックの長期発行体信用格付けと、無担保シニア債の格付けを引き下げた。
一方ナスダックのフリードマンCEOは、アデンザがあまり知名度のない資産なので、投資家がこの案件の詳しい内容を消化するには時間がかかると主張。「われわれは特別な資産のために適正な価格を支払ったと考えている。ただ市場関係者が、この案件がどれほど特別な機会かを分かるのはしばらく経過してからだと思う」と述べた。
トーマ・ブラボーはアデンザの売却に伴ってナスダックの株式14.9%を取得し、大株主の一角を占めることになる。
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