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概要:カナダ銀行(中央銀行)が予想外の利上げ再開を決めたことで、世界の債券市場に衝撃が広がるとともに、インフレ抑制のため景気減速を目指す各国・地域の中銀が抱える困難な課題が浮き彫りとなった。
2023年6月8日 10:12 JST
「米金融当局にも多少の教訓に」-シティグループのクラーク氏
カナダ中銀、利上げ停止が時期尚早だったことを暗に認めた形か
カナダ銀行(中央銀行)が予想外の利上げ再開を決めたことで、世界の債券市場に衝撃が広がるとともに、インフレ抑制のため景気減速を目指す各国・地域の中銀が抱える困難な課題が浮き彫りとなった。
カナダ中銀は利上げ再開の理由として、物品・サービスに対する堅調な個人消費需要や住宅部門の上向きなどに言及し、インフレ率を2%の当局目標に押し下げるには景気が過熱状態にあると説明した。
ただ、こうした状況は同国だけに限られたものではない。現在の引き締めサイクルにあって、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局を含め、他の中銀も金利を景気抑制的な領域に一段と引き上げなければならない可能性もある。
元カナダ中銀顧問で、現在はフィデリティ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、デービッド・ウルフ氏は「通常はカナダの出来事に米国では誰も関心を払わない」とした上で、「だが今回のケースでは、これまでの想定ほど中銀としての責務完了に近づいていないとのメッセージを受け取っていると考えられる」と話した。
米2年債利回りは一時4.6%に上昇し、カナダ2年債は2007年以来の高水準を付けた。トレーダーは7月までの米追加利上げを完全に織り込む場面もあった。
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カナダ中銀は決定に際してあまりフォワードガイダンスを示さなかった。ターミナルレート(金利の最終到達点)がどこになりそうか確信に乏しいまま、利上げモードに急きょ戻ったことを示唆するものだ。
マックレム総裁の早期の利上げ再開を称賛する声も一部にあるが、先の利上げ停止が時期尚早だったことを暗に認めたものとも言える。カナダの政策金利は大多数の識者や中銀自体が以前に必要と考えていたよりも高い水準に向かう公算が大きい。
ブルームバーグ調査で今週のカナダ中銀の利上げを真っ先に予想していたシティグループのベロニカ・クラーク氏は7日の電話インタビューで、「カナダ中銀は利上げを停止することで、データの推移を見守りたい考えだった。経済活動とインフレの減速を予想していたが、そうはならなかった」と語った。
さらに、カナダ中銀による先の利上げ停止の結果、同国の住宅市場は底入れし、回復し始めたと述べ、「利上げ休止に関して米金融当局にも多少の教訓」となるとの考えを示した。
米金融当局が利上げをいったん停止した場合、それが何を意味するのか、投資家にも教訓になるとの指摘もある。パウエル議長ら米金融当局者は、13、14両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げをいったん休止する意向と見受けられる一方で、物価抑制のための引き締めキャンペーンはまだ完了していないと説明している。
BMOグローバル・アセット・マネジメントの債券・短期金融市場責任者、アール・デービス氏は電子メールで、今週のオーストラリア、カナダ両国中銀による利上げはサプライズで、「炭鉱のカナリア」かもしれないとし、「米金融当局からもサプライズがある可能性を米市場は認識しつつある」とコメントした。
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