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概要:米クリーブランド連銀のメスター総裁は20日、インフレ抑制のためあと1回の利上げを支持する考えを示唆した。一方で、最近の銀行セクターのストレスが与信を妨げ、景気を鈍らせる可能性に触れ、銀行を巡る状況を注視する必要性を指摘した。
2023年4月21日 2:56 JST
与信タイト化は金融引き締め策と同じ方向に作用する
引き締め過程の始めよりも、終わりにかなり近い
米クリーブランド連銀のメスター総裁は20日、インフレ抑制のためあと1回の利上げを支持する考えを示唆した。一方で、最近の銀行セクターのストレスが与信を妨げ、景気を鈍らせる可能性に触れ、銀行を巡る状況を注視する必要性を指摘した。
メスター総裁はアクロン大学(オハイオ州)が主催したイベントで講演し、「金融政策は今年、景気抑制的な領域に幾分さらに進む必要があると私はみている。フェデラルファンド(FF)金利が5%を上回り、実質FF金利がしばらくの間プラスの領域にとどまる状況だ」と述べた。講演内容は予定原稿に基づく。
「FF金利を現行水準から厳密にどの程度引き上げる必要があり、金融政策をどの程度長期にわたって景気抑制的に維持する必要があるかは、経済と金融の動向次第になる」とも発言した。タカ派寄りの同総裁は、今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有していない。
メスター総裁は「われわれは引き締め過程の始めより、終わりにかなり近い。一段の引き締めがどの程度必要かどうかは、経済と金融の動向、および米当局の金融政策目標に対する進展度合いによるだろう」と話した。
複数の米金融当局者は、3月に起きた地銀破綻に伴うストレスを受けて銀行が与信を引き締める可能性があり、それが支出や経済成長を鈍化させ得るとの見方を示している。メスター氏もこの日、同様の見解を明らかにした。
「こうした状況は金融引き締め策と同じ方向に作用する」とし、「従って与信環境に及ぼす影響の大きさとそれが続く期間を引き続き見極める必要がある。それが今後の金融政策の適切な道筋を調整することに寄与する。これは賢明なことだ」と語った。
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