マッカーシー米下院議長、歳出削減伴う債務上限案を数週間以内に採決

マッカーシー米下院議長（共和）は17日、ウォール街で演説し、下院は数週間以内に連邦債務上限引き上げ案を採決するが、それは新たな歳出抑制策を伴わなければならないと述べた。

マッカーシー氏はニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）に集まった多くの幹部に対し、「デフォルト（債務不履行）は選択肢にない」が、「無条件での債務上限引き上げが可決されることはない」と話した。

マッカーシー議長の演説場所として、ニューヨーク市マンハッタンの金融街中心にあるＮＹＳＥの役員会議室が選ばれたのは、共和党が交渉を真剣に受け止めていると、市場や不安を抱える金融関係者を安心させるためだ。ただ歳出抑制も交渉で取り上げる必要があるとあらためて主張した。

同議長は、バイデン大統領がこの問題を軽視し、債務上限に関するいかなる取引も拒否することで誠実な交渉を拒んでいると批判した。

マッカーシー下院議長がＮＹＳＥで演説

Source: Bloomberg

ナットウエスト・マーケッツのストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏はこの会合には参加しなかったが終了後に「債務上限について、まだ確実に政治的駆け引きの段階にあると確かに感じられる」と述べた。

マッカーシー議長とバイデン大統領は２月１日の会談で債務上限について協議したが、その後は双方が相手側に次の動きを取るよう求め、膠着（こうちゃく）状態にある。マッカーシー議長は17日、この問題を話し合うための会合をバイデン大統領に再び呼び掛けた。

バイデン大統領は共和党に対し、歳出削減の詳細が盛り込まれた予算案の提示を求めているが、同党はまだこれに応じていない。ホワイトハウスのベイツ副報道官は声明で、マッカーシー議長と共和党が米国の十分な信頼と信用を人質に取っていると批判した。