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概要:20日の米株式相場は反発。世界の規制当局が市場の信頼感回復を図ったことに加え、最近の金融混乱で主要中央銀行の引き締めペースが落ちるとの思惑から買いが入った。
20日の米株式相場は反発。世界の規制当局が市場の信頼感回復を図ったことに加え、最近の金融混乱で主要中央銀行の引き締めペースが落ちるとの思惑から買いが入った。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 3951.57 | 34.93 | 0.89% |
ダウ工業株30種平均 | 32244.58 | 382.60 | 1.20% |
ナスダック総合指数 | 11675.54 | 45.03 | 0.39% |
朝方は安全資産に逃避する動きが見られたが、その後は弱まり、S&P500種株価指数では全11セクターが上げた。前週に15%下げたKBW銀行株指数は上昇。一方でファースト・リパブリック・バンクは急落。格付け会社S&Pグローバル・レーティングが同行の信用格付けを再度引き下げたことが嫌気された。一方、米銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)をはじめ他の地銀株は大きく上昇した。
ファースト・リパブリック急落、再度の格下げで-地銀株全般は上昇
ナスダック100指数は前週に昨年11月以来の大幅高となったが、この日は他の指数よりも上値が重かった。リスク意欲が回復し、米国債相場が下落したことが背景にある。
わずか数週間前まで市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)が6%近くまで政策金利を引き上げ、欧州中央銀行(ECB)も4%超まで利上げすると予想していた。現在は引き締めサイクルがほぼ終わったことを示唆し、米国では年末までに少なくとも4回の利下げが織り込まれている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場ではFOMCが今週に0.25ポイントの利上げを実施する確率が75%となっている。
金利スワップ市場は現在、米政策金利が4%前後で2023年を終えると見込んでいる。これはFOMCが昨年12月に示した金利予測分布図(ドットプロット)の予想を1ポイント下回る水準。
銀行システムへの信頼を維持するため、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は物価安定という目標に向かい一段の進展が必要だとの見解を改めて表明する可能性があると、BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は発言。同社がなお「ハト派的な利上げ」に傾斜していることを明らかにした。
FTNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ ロウ氏は「25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げとドットプロットの上方修正を予想している」と発言。「50bpの利上げは無謀だが、利上げを見送れば、銀行危機が物価との闘いに取って代わることを示唆する。状況を考えれば、25bpが適切なようだ。もちろん、われわれが知り得ない銀行システムの内部を見ている金融当局の見解がわれわれと同じだとは限らない。利上げを見送った場合、その選択を説明する文言が利回り曲線の形状にとって鍵になるだろう」と話した。
モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は銀行システムへのストレスが米国株の弱気相場に終わりを告げる可能性が高いと指摘しながらも、痛みを伴う「たちの悪い」終焉(しゅうえん)になるとの見方を示した。同氏はリポートで、「FRBや連邦預金保険公社(FDIC)による銀行預金を巡る対応策を受け、多くの株式トレーダーはこれが別な形の量的緩和(QE)で、だとすれば『リスクオン』の状況であるのかどうかを自問している」と指摘。その上で、「われわれはそう考えておらず、信用力が低下し、経済成長が抑制されて弱気相場が終了する始まりになるとみている」と論じた。
米株の弱気相場、「たちの悪い」終わり方に-モルガンSのウィルソン氏
既に資金調達を巡る圧力が高まっていたところに銀行セクターの混乱が発生したため、FOMCが8兆6000億ドル(約1127兆円)規模のバランスシートについてどのような方針を示すのか、金融市場では注目が集まっている。
金融当局はバランスシートの規模を新型コロナウイルス禍前の水準に戻すべく、3月まで縮小を続けてきた。だがここにきて、銀行システム支援を目的とした緊急融資プログラムによりバランスシートは再び膨らみ始めている。19日にはFRBなど主要中銀が、ドルの流動性供給拡充に向け協調行動を取ると発表した。
FOMC、8.6兆ドルのバランスシートも焦点-銀行支援で拡大再開
米国債
米国債相場は反落。朝方は質への逃避が見られたが、リスク許容度が回復して下げに転じた。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.66% | 4.5 | 1.24% |
米10年債利回り | 3.48% | 5.4 | 1.58% |
米2年債利回り | 3.98% | 14.1 | 3.67% |
米東部時間 | 16時53分 |
外為
ドル指数は21-22日のFOMC会合を前に下落。一時は0.5%下げ、2月20日以来の低水準を付けた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1241.34 | -5.33 | -0.43% |
ドル/円 | ¥131.34 | -¥0.51 | -0.39% |
ユーロ/ドル | $1.0723 | $0.53 | 0.50% |
米東部時間 | 16時53分 |
ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、ケネス・ブルー氏は「FOMCが22日に25bp利上げを実施し、ドットプロットを変更しなければ、ドルを大きく押し下げる材料になるだろう」と予想した。
ドルは対円で一時1%下落し、1ドル=130円54銭と5週間ぶりの安値を付ける場面があった。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のストラテジストはリポートで、「現在の状況では、引き続き対円でのドル売り持ちを推奨している。リスク回避の拡大や金融市場の好ましくない状況から恩恵を受けると考えるためだ」と指摘した。
原油
ニューヨーク原油先物相場は反発したものの、15カ月ぶり安値付近にとどまった。銀行セクターの混乱が金融市場全体の信頼を揺さぶる中、ヘッジファンドが注目する北海ブレンドのスプレッドは縮小し、需要見通し後退を巡る最近の懸念が長期的な影響をもたらすことを示唆した。
原油強気派であるゴールドマン・サックス・グループも年内にバレル当たり100ドルに達するとはもはや見込んでいない。同行は短期的なリセッション(景気後退)懸念の高まりなどを背景に、ブレントの12カ月先予想を引き下げた。
ゴールドマン、原油相場予想を下方修正-年内100ドルもはや見込まず
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「投資家心理は過去1週間に打撃を受けており、投資家を再び引き寄せるには市場の安定化が必要になる」と指摘。「今週のFOMC会合にかけては一段のボラティリティーと確信の低い取引が続く見通しだ」と述べた。
WTI原油先物
出所:NYMEX
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比90セント(1.4%)高い1バレル=67.64ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は82セント(1.1%)高の73.79ドル。
金
ニューヨーク金先物相場は続伸。UBSグループによるクレディ・スイス・グループ買収で合意がまとまったものの、世界の銀行セクターを巡る懸念は完全には和らいでいない。
世界の主要国・地域の規制当局が週末に急いで市場の信頼強化に動いたものの、金は値上がり。現在起きている銀行問題を背景に、中銀が金融引き締めペースを鈍化させるとの見方も強まっている。
マッコーリー・グループの金属戦略責任者マーカス・ガーベイ氏は「『その他ティア1債』(AT1債)の扱いが不透明感の新たな源となった」とリポートで指摘。UBSによる救済合併が決まったクレディ・スイスのAT1債が無価値となったことに言及した。「市場の不安が完全に落ち着くこともなく、全面的な危機が起こることもなく、不透明感が長引くほど、金はより高い価格で取引されるだろう」と続けた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、前営業日比0.5%高の1オンス=1999.70ドルで終了。スポット価格はニューヨーク時間午後3時5分現在、0.3%安の1983.14ドル。一時は1年ぶりにオンス当たり2000ドルを上回っていた。
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