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概要:7日の米株式相場は下落。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言でタカ派的な発言をしたことが売りを誘った。米政策金利は一段と高い水準に引き上げられるとの観測が強まり、リセッション(景気後退)懸念が再び広がった。円は対ドルで1ドル=137円台に下落した。
米2年債と10年債の逆イールド、一時105bpに拡大
2年債利回りは5%台に上昇、2007年7月以来の高水準
7日の米株式相場は下落。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言でタカ派的な発言をしたことが売りを誘った。米政策金利は一段と高い水準に引き上げられるとの観測が強まり、リセッション(景気後退)懸念が再び広がった。円は対ドルで1ドル=137円台に下落した。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 3986.37 | -62.05 | -1.53% |
ダウ工業株30種平均 | 32856.46 | -574.98 | -1.72% |
ナスダック総合指数 | 11530.33 | -145.41 | -1.25% |
パウエル議長はこの日、上院銀行委員会で半期に1度の議会証言に臨み、金融当局として政策金利を従来の想定より高い水準に引き上げる公算が大きいとしたほか、必要であれば利上げペースを加速させる用意があると述べた。株式相場はこの発言が伝わると急速に下げ、S&P500種株価指数は節目の4000を再び割り込んで引けた。
パウエル議長、ピーク金利上昇を示唆-必要なら利上げ加速の用意 (3)
スワップ市場では3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で見込まれる利上げ幅として、0.25ポイントより0.5ポイントの方が優勢となった。
3月の米利上げ、50bpに市場が想定修正-米国債逆イールド拡大 (2)
米国債市場で1981年以降初めて2年債利回りが10年債利回りを100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回り、逆イールドが進行したことも、市場心理を冷やした。逆イールドはリセッションの前触れと見なされることがある。
イートロのキャリー・コックス氏は「パウエル議長は暗黙の了解を口にしたに過ぎない」と指摘。「経済は目覚ましく好調だが、それが米金融当局のインフレ抑制の取り組みを複雑にしている可能性があり、それ故に利上げを加速させ、インフレを低下させるために従来予想以上の利上げを行う必要がある可能性があるというものだ。これは驚くような内容ではないが、勢いよく上昇してきた相場にとって厳しい注意喚起にはなる」と述べた。
エコノミストの一部はパウエル議長の証言について、今月21、22両日のFOMC会合で、より大きな利上げ幅を選択する可能性が強まった兆候と受け止めた。ただ、市場ウオッチャーの中には、より漸進的な0.25ポイント利上げを依然見込む声もある。
ブリークリー・ファイナンシャル・グループの最高投資責任者(CIO)、ピーター・ブックバー氏は「現時点で利上げが予想されるどのFOMC会合でも、50bpの引き上げが決まるとは考えていない。FOMCは既に引き締めペースを落としているし、最終的に利上げを停止するまで25bpの引き上げ幅を続けるだろう」と述べた。
パウエル氏がタカ派でなければ「それこそ心配だ」-市場関係者の見方
米国債
米国債は年限が短めの債券を中心に、利回りが上昇。2年債利回りは5%台に達し、2007年7月以来の高水準となった。予想より堅調な米経済指標の発表が相次いでいることに加え、この日のパウエル議長のタカ派的な発言内容が利回り上昇につながった。2年債は2月初旬には、今年に入って最も低い4.03%を付けていた。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.87% | -2.0 | -0.52% |
米10年債利回り | 3.97% | 0.8 | 0.20% |
米2年債利回り | 5.01% | 12.7 | 2.59% |
米東部時間 | 16時44分 |
利回り曲線はフラット化し、2年債と10年債の利回り差は一時105bpに拡大した。
外為
外国為替市場ではドルが大きく上昇。パウエル議長の証言を受け、3月のFOMC会合で0.5ポイントの利上げが決まるとの見方が強まった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は1%余り上昇。今年に入ってからの最高値を付けた1月6日以来の水準に達した。
円は対ドルで下落。欧州時間には一時135円台半ば付近まで上昇する場面もあったが、その後は売り優勢。パウエル議長証言を機にドルが上値を伸ばしたことから下げが進み、137円台前半での推移となった。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1259.62 | 12.61 | 1.01% |
ドル/円 | ¥137.15 | ¥1.22 | 0.90% |
ユーロ/ドル | $1.0548 | -$1.33 | -1.25% |
米東部時間 | 16時44分 |
投資家は10日に発表される2月の米雇用統計を注視することになる。市場予想を大きく上回った1月雇用統計の数字は一時的なものだったのか、より根付いた傾向なのかを見極めたい考えだ。
ドイツ銀行のチーフ国際ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は「入手するデータが25bp利上げを示唆するものであれば、ドルはこのところの取引レンジ内にとどまる可能性がある」と指摘。「FRBが50bp利上げを実施したり、その可能性が非常に高いようにみえる場合は、より確信を持ったドル高方向のレンジが形成される」と予想した。
原油
ニューヨーク原油先物は1月初旬以来の大幅安。パウエルFRB議長のタカ派発言を受けて売りが膨らみ、複数の下値支持線を割り込むほどの下げとなった。
CFRAリサーチの株式調査副ディレクター、スチュワート・グリックマン氏は「もし米金融当局がインフレを息の根が止まるまで抑制し、経済全体に痛みを与えるほど金利を引き上げると決めたとすれば、それはGDP(国内総生産)にとって良くない」と指摘。「石油需要はGDPと相関しているので、原油価格にも良くないだろう」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前日比2.88ドル(3.6%)安い1バレル=77.58ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント5月限は2.89ドル安の83.29ドル。
ニューヨーク金相場は下落。追加利上げを巡るパウエル議長の発言を受けた米国債利回りおよびドルの上昇に押され、約1カ月ぶりの大幅安となった。
金利上昇による圧力を受けている金相場は過去数カ月、中央銀行からの強い需要が下支え役となっていた。
モルガン・スタンレーは今年の金相場について、「マクロと需要サイドの両要因を考慮する必要があるが、新たなトレンドラインは金価格が昨年に比べて利回りに反応しやすくなっていることを示唆する」とリポートで指摘。その上で「中央銀行による金の購入は減速するかもしれないが、宝飾品およびテクノロジーでの需要は中国の経済再開で押し上げられる可能性がある」とした。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前日比34.60ドル(1.9%)安の1オンス=1820ドルちょうどで終了した。
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