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概要:[ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は1日、インフレ対応で峠を越えたとの認識を示した。ただインフレとの戦いに「勝利」するには、追加利上げを実施し高水準の金利を少
[ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は1日、インフレ対応で峠を越えたとの認識を示した。ただインフレとの戦いに「勝利」するには、追加利上げを実施し高水準の金利を少なくとも2023年を通じて維持することが必要になると指摘した。
FRBは1月31─2月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ4.50─4.75%とした。決定は全会一致。インフレへの対応を進める中、「継続的な」利上げが適切と改めて表明した。
FRBは声明で「インフレ率は幾分和らいだが、引き続き高止まりしている」と指摘。「ウクライナに対するロシアの戦争は、多大な人的および経済的困難を引き起こし、世界的な不確実性の高まりの一因となっている。委員会はインフレのリスクを非常に注視している」とした。ただ、物価上昇の直接的な要因として戦争と新型コロナウイルス感染拡大に言及した部分を削除した。
米経済は「緩やかな伸び」を示し、雇用の伸びは「堅調」とし、徐々にインフレ率を2%に戻すのに十分な制限的な金融政策姿勢を達成するため、「継続的な」目標誘導レンジの引き上げが適切になるとした。
パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、このところのインフレを巡る進展は「喜ばしい」としながらも、利上げ終了を示唆するには不十分と強調。「インフレが目標に回帰していると確信するためには、インフレ低下を示す一段の実質的な証拠が必要になる」と述べた。
同時に、米経済を大幅な景気後退(リセッション)に陥らせることなくインフレ目標を達成する道はあると信じているとし、FRBがインフレを引き下げるのに十分と考える水準まで「あと数回」のところまで来ている可能性があると述べた。
ただ、インフレ抑制に向けた取り組みを進める中、FRBがどこで利上げを停止するかは分からないとも表明。ターミナルレート(利上げの最終的な到達点)が昨年12月に示した5.1%を超える可能性もあるとの見方を示した。
その上で、現在の見通しでは経済成長は鈍化し、失業率は緩やかに上昇し、インフレ率は緩やかに低下すると予想。「経済がこうした予想とおおむね一致すれば、年内の利下げは適切ではない」と述べた。
それでも議長が会見で繰り返し「ディスインフレ(インフレ鈍化)」のプロセスが進んでいると言及したことから投資家はハト派のサインと受け止めた。
議長は「ディスインフレのプロセスが始まったと初めて言うことができる」と述べ、モノの価格の伸び鈍化、新型コロナに関連する逼迫の緩和、サプライチェーンの正常化などを指摘。「これは良いことだ」と語った。
<初期段階>
FRBが重視するインフレ指標は昨年6月に付けた7%近くをピークに12月には5%に鈍化した。依然として目標の2%を大きく上回っているものの、着実に正しい方向に向かっている。
しかしパウエル議長は「まだ初期段階だ」とし、「勝利宣言やゲームに勝ったというシグナル発信にはわれわれは慎重になるだろう」と述べた。
サービス部門の大部分を含む重要分野ではまだインフレ鈍化が見られていないとし、高水準の求人や依然として強い賃金の伸びは労働市場が「極めてタイト」であることを示すと指摘。
「労働市場は依然としてバランスを欠いている」と述べ、インフレ率が2%の水準に戻るには、失業率が現在の3.5%から上昇する必要があるとFRB当局者らが考えていることを示唆した。
今回のFOMC声明では、今後の利上げ「ペース」に関する言及はなく、代わりに利上げの「程度」に言及。今後の利上げ幅が今回と同様に0.25%ポイントになる可能性が示唆された。
ただ、これまでに実施した政策が経済にどのような影響を及ぼしたかを考慮すると表明。今後の利上げは経済データの推移に左右される可能性が示された。
バンクレートのチーフファイナンシャルアナリスト、グレッグ・マクブライド氏は「今後の利上げ一時停止の明確な兆候を期待していた場合は、肩透かしを食らった」とし、「FRBは声明で継続的な利上げとの表現を維持し、今後の経済データの内容次第との選択肢を残した」と述べた。
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