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概要:今年は世界の株式市場から何兆ドルもの資産が失われ、債券市場は混乱、通貨とコモディティは大きく変動し、暗号資産(仮想通貨)交換業大手が経営破綻するなど、投資家がこれまでに目にした中でおそらく最も激動の1年だったと言えそうだ。
[ロンドン 22日 ロイター] - 今年は世界の株式市場から何兆ドルもの資産が失われ、債券市場は混乱、通貨とコモディティは大きく変動し、暗号資産(仮想通貨)交換業大手が経営破綻するなど、投資家がこれまでに目にした中でおそらく最も激動の1年だったと言えそうだ。
今年は世界の株式市場から何兆ドルもの資産が失われ、債券市場は混乱、通貨とコモディティは大きく変動し、暗号資産(仮想通貨)交換業大手が経営破綻するなど、投資家がこれまでに目にした中でおそらく最も激動の1年だったと言えそうだ。写真はニューヨーク証券取引所で5日撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)
世界の株式市場は時価総額が14兆ドル減少、年間では過去2番目の落ち込みへと向かいつつある。
変動の主因はロシアのウクライナ侵攻に加え、新型コロナウイルスの大流行局面から脱却する中で、インフレが猛威を振るっていることだ。ただ、中国は依然、新型コロナウイルスの感染によって経済が制約を受けている。
安全資産とされる米国債とドイツ国債の相場は、ドル建てでそれぞれ16%、24%下落。「債券王」と称されるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、市場環境が一時、非常に悪化したため、同氏のチームは取引が数日間ほとんど不可能になったと述べた。
「買い手はストライキを打っていた」と指摘。「最近まで相場は下がる一方だったため、無理もない」と語った。
激動が始まったのは、世界経済が新型コロナウイルスによる活動休止から脱したことが明確になり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを真剣に検討していることが判明した時だった。
1月だけで10年物米国債利回りは1.5%弱から1.8%に急上昇、MSCI世界株価指数は5%下落した。
10年物米国債利回りは現時点で3.68%、株価は20%安、石油価格は一時80%急騰したが、現在は元に戻っている。FRBは合計400ベーシスポイント(bp)、欧州中央銀行(ECB)は250bpの利上げを実施した。
主要通貨に対するドル指数は約9%上昇、ドルは円に対しては12.5%上がった。ただ、日銀が20日にサプライズで金融政策を修正すると、円高方向に振れた。
新興国市場では、トルコのインフレと金融政策によりトルコリラが28%下落。それでも同国の株式市場は、世界で最も好調だ。
エジプトの通貨は36%余り下落。スリランカと同様に対外債務の不履行を起こしたガーナの通貨は、60%急落した。ロシアのルーブルは6月の高値からは大幅に下がったが、資本統制を背景に今年世界で2番目に堅調な通貨となっている。ウクライナ侵攻直後には暴落していた。
クローズ・ブラザーズ・アセット・マネジメントのロバート・アルスター最高投資責任者は「来年に何が起きるかと聞かれても、本当に答えることができない」と述べた。アルスター氏ら多くの市場関係者は、短命に終わったトラス英政権が財源を確保しないまま財政支出の拡大を表明した際のポンドと英国債相場の急落ぶりを指摘している。
10年物英国債利回りは数日間で100bp余り上昇、ポンドは9%下落した。
<ハイテク株が大幅安>
金利の大幅な上昇を受け、巨大ハイテク企業の時価総額は3兆6000億ドル減少した。メタ・プラットフォームズとテスラの株価はいずれも60%余り下落、グーグルの親会社であるアルファベットは40%安、アマゾン・ドット・コムは50%安となった。
中国株は「ゼロコロナ政策」終了の兆しを好感して年末近くに上昇したが、年初に比べるとなお25%下落している。
新規株式公開(IPO)と債券の発行は中東を除き低迷した一方、コモディティは2年連続で最も上昇した資産となった。
天然ガス価格は50%余り上昇し、コモディティの中で最も好調だった。
暗号資産市場の混乱ぶりはさらに顕著だった。ビットコインの価格は60%下落、暗号資産全体の市場規模は1兆4000億ドル縮小した。暗号資産交換業大手FTXの経営破綻などが響いた。
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