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概要:グーグルの元エンジニアリング担当バイスプレジデント、メロディ・メックフェッセルは2019年に独立起業。10代の娘は「ママは起業して、ビジネスパーソンからビジネスヒッピーに変わった。私たちの関係も良くなった」と語ります。
オブザーバブル(Observable)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のメロディ・メックフェッセル。
Observable
以下は、2019年にデータ分析・共有プラットフォームのオブザーバブル(Observable)を創業したグーグル(Google)の元エンジニアリング担当バイスプレジデント、メロディ・メックフェッセルとの対話に基づく聞き書きだ。掲載にあたって文章量を調整し、文意を明確にするために編集してある。
エンジニアリング部門のマネージャーとしてグーグルに入社したのは2004年のことです。
いろんな人にこれは使えると思ってもらえるようなソフトウェアを開発することに何より喜びを感じる私のような人間にとって、グーグルは最高にスリリングな仕事場でした。
自分が担当したのは、同社のメイン事業である検索、データ分析ツール、データセンターのグリッド化に向けたシステム開発などです。
農家に生まれ育った自分が、世界で最も大きな影響力を持つシステムの構築に携わることになろうとは、さすがに想像もしていませんでした。
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グーグルでは毎年着実にキャリアを積み重ねていったのですが、突如として(と言っても、在籍14年以上を経た後なので、突如という言い方は変ですが)クラウド部門のエンジニアリング担当バイスプレジデントに任じられ、一般的な中堅企業ほどの人員を抱えるチームを率いていました。
顧客企業との商談のため、世界中を飛び回りました。グローバル金融機関の最高情報責任者(CIO)や最高技術責任者(CTO)が、システム構築に関して私のアドバイスを必要としていたのです。
信じられないことでした。サポート先の企業の方々と膝を突き合わせて議論する機会に恵まれただけでなく、自分の率いるチームがグーグルの展開する巨大ビジネスの主要な分野に影響を与えていたのですから。
それでも、最後の数年間は、いまいる場所を飛び出して何か新しいものを生み出したいという思いに心をとらわれがちでした。
グーグルでは、すべてを数字としてデータ化することで、何が機能していて何が機能していないかを把握する手法を学びました。また、見落とされているデータの活用を通じて業務や共同作業をサポートするという、過去にない新たな取り組みも間近で目にすることができました。
そしてそうした経験の中で、スティッチフィックス(サブスク型パーソナルスタイリングサービス)であれ、バイオ製薬会社であれ、学校教員であれ、誰でもデータを使ってそれぞれのストーリーを語れるようにするプラットフォームがあったらと考えるようになったのです。
しかし、グーグルで担当する業務分野の範囲内でそのアイデアを形にする道筋は見えませんでした。まずそもそもにして、そんな時間がありませんでした。
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結局、私はキャリアをさらに積み重ね、グーグルでより責任のある仕事を担う道を選んでいました。
シングルマザーの私は、娘と一緒にいる時間を確保することを優先していたので、商談のためにミュンヘンに飛び、0泊2日のとんぼ返りで帰宅といったハードな生活を続けていました。
娘と過ごす夕食前後の時間帯こそスマホをオフにしていたものの、深夜には再びオンラインに戻って仕事。ミーティングのための移動や休日中の仕事にどれくらい時間を割いてきたか分かりません。
最近、親しい人に「メロディ、あなたっていつも困難でハードルの高いことに立ち向かっていく人よね」と言われました。そうかもしれません。
データ分析・共有プラットフォームのアイデアについても、何年か考えた末に2019年初頭、次のステップに移る必要があるとの結論に至りました。まるで私の中の何もかもが、そのアイデアを実現できるのか試してみなければ、と言っているようでした。
データ分析・共有プラットフォームを展開するスタートアップ、オブザーバブル(Observable)のメンバー。
Observable
CEOという仕事の難しさ
パンデミック発生のおよそ1年前の2019年4月、私はグーグルを退職してオブザーバブルを創業しました。誰もがデータを使ってストーリーを語れる社会を実現するための「データコラボレーションプラットフォーム」です。
創業以来、2回の資金調達ラウンド(シリーズA・B)を実施し、データを使って何かに取り組む人たちをより多くサポートできるよう、プラットフォームを成長させることに注力しています。
現時点で頼りになるチームメンバーは約40人、ユーザーが生み出したデータストーリーを毎月閲覧・活用するコミュニティはおよそ50万人に達しました。
CEOとしての苦労について聞かれたら……グーグルで担当していた仕事との違い、それに未知の何かにどうやって立ち向かうか、取り組むかを自分自身で考えなくてはいけないこと、と答えるでしょうね。
加えて言うなら、パンデミックの最中に会社を成長させるのは、やはり苦しい試練でした。
相談相手として、サポーターとして、私を支えてくれる人たちに心から感謝しています。オブザーバブルの出資者で、アーリーステージ投資を手がけるアクルー・キャピタル(Acrew Capital)のテレジア・ゴウは何度も私の背中を押してくれました。
「やるのよ、メロディ。やりなさい。来る日も来る日もくじけずミッションに取り組むの。立ち止まってはだめ」
日々のスケジュールは自分で決め、グーグル時代のように毎日世界中を飛び回る生活ではありません。以前より多くの時間を子どもと一緒に過ごすようになりました。娘はオブザーバブルのほぼ全てのメンバーの名前を覚えているし、みんなも娘を知っています。
かつての自分の仕事生活ではあり得なかったことです。
ストレスしかなかった以前と違って、近ごろは感謝の気持ちをたくさん抱くようになりました。
いまは自分が情熱を抱ける仕事だけに取り組み、多様性を重んじる包摂的なチーム、世界がこうあって欲しいという私たちの願いと合致する環境を作り上げようと努力するようになりました。
また、自分の道を自分で切り拓き、自分がこうなりたいという人間像に見合ったやり方でそれを実現しようと思うようになりました。
そうだからこそ、意欲がわいてくるし、よろ多くの人により大きな影響を及ぼすことができるのです。
最近、10代の娘が私にこう言いました。
「これまで、ママは棘(とげ)立ったビジネスパーソンみたいな人だと思ってた。いつもそんなふうだったし、とにかく働いてるイメージしかなかった。
でも、いまのママはビジネスヒッピー。リラックスできてるのよね。ストレスが減ったから、私たちの関係も前より良くなったし。ママはそう、みんなのお手伝いをしたいだけなんだよね」
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