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概要:有機合成薬品工業<4531>(東証スタンダード)が、7月29日に318円+43円(+15.64%)と急伸。高値352円と買い進まれ、5月16日につけた年初来高値318円を更新。7月29日午後1時に発表
有機合成薬品工業<4531>(東証スタンダード)が、7月29日に318円+43円(+15.64%)と急伸。高値352円と買い進まれ、5月16日につけた年初来高値318円を更新。7月29日午後1時に発表した今2023年3月期第1四半期決算が大幅増収増益だったことを好感した買いが入った。
■今23年3月期第1四半期大幅増収増益と好調
今23年3月期第1四半期業績は、売上高31億7300万円(前年同期比23.5%増)、営業利益4億0700万円(同6.4倍)、経常利益3億9200万円(同5.4倍)、純利益3億1400万円(同8.5倍)に着地。
アミノ酸関係では、医薬用途、及び食品・サプリメント用途の販売が好調であったことから、売上高は11億9800万円(同24%増)の増収。
化成品関係では、特殊触媒、農薬中間体、医薬関連原料等の販売が増加したことにより、売上高は11億7800万円(同期46.2%増)の増収。
医薬品関係では、原薬中間体の販売が減少したものの、原薬の販売が増加したことから、売上高は8億9600万円(同3.7%増)の増収。
第1四半期営業利益は通期業績予想に対する進捗率が63.9%と好調に推移しており、通期業績予想の増額が有力視される。
■半導体向けにアミノ酸を製造していることが注目
注目すべきは、日米両政府が量子コンピューターなどに使う次世代半導体の量産に向けた共同研究を始めると伝わったこと。世界の半導体輸出額の半分は中華圏と言われており、台湾有事に備え半導体の量産体制を日米共同で築く考えから、半導体関連が大きく見直される可能性がある。
同社は、半導体やシリコンウェハーなどの工業用機能性材料の原料であるアミノ酸(グリシン)を受託製造しているが、7月19日大引け後に製造設備一部増強(設備投資)に関して発表。アミノ酸製品であるグリシンの需要が高まっているため、福島県いわき市の常磐工場にある既存の設備を増強して、増産体制を構築するため設備投資を行う。
投資金額は約40億円、着工は2022年7月、竣工は25年3月を予定しているが、台湾有事となれば、アミノ酸(グリシン)の需要がさらに増加する余地がある。
株価は、好業績で半導体のテーマに乗り、PBR0.63倍と割り負けしており、意外高に進むか注目したい。
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