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概要:来週の外為市場でドルは上方向への動きが意識されやすい。米インフレ指標や金利の動向をにらみながら、130円台で値固めできれば、直近高値の131.35円を目指す可能性がある。欧州中央銀行(ECB)理事会では金融正常化の時間軸を模索する展開になるとみられる。
[東京 2日 ロイター] - 来週の外為市場でドルは上方向への動きが意識されやすい。米インフレ指標や金利の動向をにらみながら、130円台で値固めできれば、直近高値の131.35円を目指す可能性がある。欧州中央銀行(ECB)理事会では金融正常化の時間軸を模索する展開になるとみられる。
6月3日、来週の外為市場でドルは上方向への動きが意識されやすい。写真は2016年1月撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)
予想レンジはドル/円が128.50━131.50円、ユーロ/ドルが1.0600―1.0900ドル。
足元のドル/円は130円台は定着していないものの、米長期金利が2.9%台で推移するなど日米金利差拡大が意識されやすく、「地合いとしてはドル高/円安方向に振れやすい」と、上田東短フォレックスの営業企画室長、阪井勇蔵氏はみる。
クロス円でも、金融政策の方向性の違いやリスク選好の流れから、幅広い通貨に対して円安傾向となっている。足元のユーロ/円は139円台後半で推移しており、節目の140円を超えれば、対ドルでも円安圧力が強まる。
ドルは130円台で値固めができるかがポイントだ。下値の堅さが確認されれば、直近高値の131.35円を目指す展開もあり得るという。ただ、131円台前半には強固なレジスタンスがあるとみられ、利益確定売りに押されやすい、との指摘もある。
FXcoin取締役の上田眞理人氏は、足元のドルは金利との相関性が強まる一方で米景気減速懸念もくすぶっているとし、「インフレが抑制され、米経済がさほどダメージを受けないというストーリが見えてくるまでは、一気に直近高値を抜くのは難しい」との見方を示す。
10日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)で強い伸びが示された場合はドル買いで反応するとみられるものの、「同時に米景気減速も意識されやすく、米長期金利の上昇が抑えられ、ドル/円の上昇の勢いは限られる」(りそなホールディングスのエコノミスト、村上太志氏)との声が聞かれた。
ユーロ/ドルは「直近高値の1.07ドルを超えられなければ、ユーロ安/ドル高に押し戻される可能性がある」(国内金融機関)という。一方で、対円や対ポンドでは堅調に推移するとみられる。
9日のECB理事会では、予想通り7月の利上げについて言及されれば、相場の反応は限定的となるもよう。今後の金融正常化の時間軸を探るため、ラガルドECB総裁の会見に関心が集まる。
このほか7日にオーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が政策金利を発表する。
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