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概要:株価急落を機に金融市場ひいては資産運用の見通しは一気に不透明になってしまいましたが、だからと言って、銀行口座に現金を放置するだけでは、昨今の高インフレの間に資産が目減りしてしまいます。米銀大手バンク・オブ・アメリカはこの厳しい時代を乗り切る「適切なセクターへの投資」を提唱します。
株価急落を機に資産運用の見通しは一気に不透明になってしまったが、だからと言って、銀行口座に現金を放置するだけでは、高インフレの間に資産が目減りしてしまう。
Shutterstock.com
2022年の株式市場は控えめに言っても激動の幕開けとなった。インフレ懸念がパニックに変わり始め、S&P500種株価指数は7%下落、ハイテク株の多いナスダック総合指数は調整局面にある。
投資家たちは株価下落が底を打ったのか、あるいはこの先さらに厳しい状況が待ち受けているのか、判断に苦しんでいる。
米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)はどう読んでいるのか?
その回答は、予断を許さない状況がまだまだ続くため、投資判断は慎重に行うべき、というものだ。
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バンカメの米国株・クオンツ戦略責任者を務めるサビータ・スブラマニアンは、最近の顧客向けレポート(2月11日付)で状況を以下のように分析している。
「ファンダメンタルズは依然として健全で、当行の情勢判断は完全な弱気ではありません。しかし、いまのところインフレ緩和の兆候は見られず、2022年を通じて不安定な市場が続くのではないかと予想しています」
最近の市場の動きを見れば、ブル(強気)派とベア(弱気)派のいずれにも、それぞれの立場の正しさを説明できる材料が転がっている。
スブラマニアンのレポートによると、1月の株価急落を経て、歴史的高値が続いた市場から「泡立ち(フロス)」が取り除かれたものの、S&P500種の予想株価収益率(=株価が1株あたり純利益の何倍まで買われているかを示す)は20倍と、2015年から19年までに記録した14〜18倍、あるいは長期平均の15.6倍をまだ上回ったままだ。
バンカメは米国株に対する投資判断について「中立」としている。2022年、同銀のS&P500種指数の年末目標は4600。ウォール街の金融機関のなかでは2番目に低く、アップサイド(=上振れの可能性)はわずか3%にすぎない。
ただ、不安定な市場ゆえ投資判断は慎重にと言っても、投資家は資金をそのまま現金で持っておけばいいというわけにはいかない。銀行の預金口座に放置しておくだけでは、約40年ぶりの高い水準で推移するインフレのせいで、資金の価値が目減りしていくばかりだ。
債券に資金をシフトさせる手もあるが、利回りは確かに上昇しているものの、相対的には低いままで、10年物米国債利回りは2%程度(2月14日終値)にすぎない。
こうした厳しい相場に際しては、適切なセクターの株式を保有することがアウトパフォーム(=ベンチマークを上回る運用成績)のカギを握るとバンカメは指摘する。
スブラマニアンによれば、グロース(高成長)株は割高なバリュエーションと業績の伸び悩みから停滞が予想されるが、たとえバリュー(割安)株であっても、銘柄によっては低迷を避けられない。
いわゆる「バリュートラップ」(=株価収益率や株価純資産倍率から割安と判断されながら、いつまでも値上がりせず放置される)銘柄が一番良くない。
そうした銘柄は、伝統的な評価指標からは割安に見えるものの、業績は下降を続け、何か異なる理由から安い価格で取引されているにすぎないとスブラマニアンは説明する。
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バンカメによると、バリュートラップ銘柄のパフォーマンスは1997年以降、S&P500種のうち最も割安な銘柄10%のパフォーマンスに比べて年4%劣後して推移してきた【図表1】。
【図表1】バリュートラップ産業に属する銘柄のパフォーマンスは、割安株に投資するバリュー戦略のパフォーマンスを下回ってきた。
Bank of America
同銀の分析によれば、バリュートラップに該当するセクターとしては、グーグル親会社のアルファベットやフェイスブック親会社のメタ・プラットフォームズなど人気のグロース株を含む「インタラクティブ・メディア&サービス」や「独立系ユーティリティ(公益事業)」が挙げられる。
一方、「ヘルスケア」「素材」「半導体」「エネルギー」産業およびセクターにはチャンスがあるというのがバンカメの見方だ。なお、エネルギー産業は8カ月連続、かつ過去13カ月のうち12カ月で、同銀のトップタクティカル(戦略的重点投資先)セクターに選ばれている。
エネルギー株は2022年に入って人気に火がつき、年初来約26%の上昇を記録している。
バンカメの分析によれば、エネルギー産業にはまだ株価上昇の余地があり、株価純資産倍率、株価(営業)キャッシュフロー倍率、予想株価収益率などの一般的な株式バリュエーションから判断すると、61〜71%のアップサイド(=上振れの可能性)があるという【図表2】。
【図表2】セクター別のバリュエーション。左から株価純資産倍率、株価(営業)キャッシュフロー倍率、予想株価収益率。「エネルギー」「ヘルスケア」セクターのアップサイドが強調されている。
Bank of America
バンカメは「株価モメンタム」「業績モメンタム」「バリュエーション」の3項目を軸に、全60セクターについて10段階評価を行った(10が最高)。以下では、3項目のすべてで平均以上の評価を得た9セクターを紹介しよう。
バンカメはこの9セクターのなかから、「豊富なフリーキャッシュフロー、インフレ連動(物価上昇の影響を受けにくい)、ファンダメンタルズ上昇傾向という3条件を満たすバリュー株」を優先投資先として探っている。
バンカメはセクター評価のみで投資推奨先として個別銘柄を挙げていないが、トレンドセクターへのエクスポージャー(=リスクにさらす資産の割合)を取ることのできる上場投資信託(ETF)を例示しているため、併せて付した。
1.製薬
産業:ヘルスケア
株価モメンタム:9
業績モメンタム:10
バリュエーション:10
投資先例:iシェアーズ 米国ファーマシューティカルズETF
2.石油・ガス・消耗性燃料
産業:エネルギー
株価モメンタム:10
業績モメンタム:10
バリュエーション:9
投資先例:SPDR S&P石油・ガス探鉱生産ETF
3.ヘルスケアテクノロジー
産業:ヘルスケア
株価モメンタム:10
業績モメンタム:8
バリュエーション:9
投資先例:iシェアーズ 米国メディカルデバイセズETF
4.エネルギー設備・サービス
産業:エネルギー
株価モメンタム:10
業績モメンタム:9
バリュエーション:8
投資先例:iシェアーズ 米国石油設備&サービスETF
5.建設資材
産業:素材
株価モメンタム:7
業績モメンタム:9
バリュエーション:9
投資先例:iシェアーズ 米国住宅建設ETF
6. 卸売
産業:一般消費財
株価モメンタム:6
業績モメンタム:9
バリュエーション:7
投資先例:一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド
7. 専門小売り
産業:一般消費財
株価モメンタム:6
業績モメンタム:8
バリュエーション:7
投資先例:SPDR S&P小売りETF
8.化学
産業:素材
株価モメンタム:6
業績モメンタム:9
バリュエーション:6
投資先例:バンガード・マテリアルズETF
9.半導体・半導体装置
産業:情報テクノロジー
株価モメンタム:8
業績モメンタム:6
バリュエーション:6
投資先例:ヴァンエック半導体ETF
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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[原文:Bank of America shares the 9 stock market industries that give investors the best opportunities at this volatile time — and why the undervalued energy sector could rise up to 71%]
(翻訳・編集:川村力)
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