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概要:来週の東京株式市場は、強含みが想定されている。景気上向きを背景に強い基調を維持する米株の動きに刺激される形で、日経平均は3万円回復にトライする場面がありそうだ。一方、原油価格上昇や輸送費急騰を背景にしたコスト高、インフレなどが警戒されている。物色面では、決算好調だった銘柄が買われる半面、コスト高によって下方修正を余儀なくされた銘柄が売られるなど、当面は二極化が進行することになりそうだ。
来週の東京株式市場は、強含みが想定されている。写真は2013年10月、都内の株価ボード(2021年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 12日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、強含みが想定されている。景気上向きを背景に強い基調を維持する米株の動きに刺激される形で、日経平均は3万円回復にトライする場面がありそうだ。一方、原油価格上昇や輸送費急騰を背景にしたコスト高、インフレなどが警戒されている。物色面では、決算好調だった銘柄が買われる半面、コスト高によって下方修正を余儀なくされた銘柄が売られるなど、当面は二極化が進行することになりそうだ。
日経平均の予想レンジは2万9300円─3万0100円。
国内の決算発表シーズンが一巡し、今後は個々の業績動向からマクロ経済に市場の関心が移ることになる。国内では15日の7─9月GDP、17日の9月機械受注、19日の10月の消費者物価、海外では15日の中国10月小売売上高と工業生産、17日の米10月小売売上高、鉱工業生産、設備稼働率、米10月住宅着工件数などが注目を集めそうだ。
とりわけ、米国では指標で好調が確認された場合、米株は上値を追うことが想定され、それが日本株を刺激することになりそうだ。また、国内に関しても「設備投資の回復の兆しが確認されれば反転のきっかけになり得る」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)という。
市場では、トヨタ自動車の生産面における国内正常稼働が注目されたが「一つ一つ経済正常化の動きが明らかになるにつれ、それらが株価に織り込まれていく」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との指摘もある。
一方、これまで欧米株に対して日本株の出遅れが強調されていた。しかし「9月以降の乱高下によって生じた、やれやれ売りが一巡したように感じられ、今後は欧米株上昇の流れに乗ることができるようになる」(三菱UFJモルガンスタンレー証券・チーフ投資ストラテジストの藤戸則弘氏)との声が聞かれ、目先的に日経平均は3万円回復にトライするとみる関係者が多い。
ただ「コスト高に苦しむ企業もあり、それらは安値圏に放置されるなど物色の二極化が進む」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との見方もあり、全体的なかさ上げ相場にならず、半導体関連など成長期待が大きい銘柄がリードする展開になりそうだ。
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