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概要:欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は5日、ステーブルコイン(法定通貨を裏付け資産とする仮想通貨)など民間主導のデジタル通貨が支配的になれば、金融の安定性が脅かされ、中銀の役割が弱まる可能性があるため、ECBはデジタルユーロを発行すべきと述べた。
11月5日、欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は、ステーブルコイン(法定通貨を裏付け資産とする仮想通貨)など民間主導のデジタル通貨が支配的になれば、金融の安定性が脅かされ、中銀の役割が弱まる可能性があるため、ECBはデジタルユーロを発行すべきと述べた。写真は2016年1月撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)
[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は5日、ステーブルコイン(法定通貨を裏付け資産とする仮想通貨)など民間主導のデジタル通貨が支配的になれば、金融の安定性が脅かされ、中銀の役割が弱まる可能性があるため、ECBはデジタルユーロを発行すべきと述べた。
講演で「インターネットや電子メールの台頭により切手が有用性を失ったように、デジタル化が進む経済において貨幣も意義を失う可能性がある」と指摘。「このようなシナリオが現実になれば、中銀通貨の頼みの綱としての有効性は弱まる」とした。
ただ、民間主導の取り組みには固有のリスクがあり、危機時にはそのリスクが増幅されることが多いとし、ステーブルコインによって中央銀行デジタル通貨(CBDC)が不要になるとの見方を否定。「歴史的に見ても、金融の安定性と貨幣に対する国民の信頼を得るためには民間の貨幣と並んで広く使用される公的な貨幣が必要だ」と語った。
CBDCが機能するためには、広く利用され、CBDCが選択肢の一つであることが継続的に認識される必要があるが、「そのためには、デジタルユーロが決済手段として広く使用されるような魅力的なものである一方で、価値の保存手段としての優位性が過度に高まり、民間貨幣を締め出して銀行への取り付け騒ぎが起こるリスクを高めることがないような方法で設計されなければならない」とした。
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