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概要:来週の外為市場でドル/円は、米国の小売りやインフレ指標に対する米長期金利の上下動に敏感な反応を示しそうだ。とはいえ、最近のボックス相場から一気に抜け出す気配はなく、短期筋も「上がったらドル売り、下がったらドル買い」というパターンから足を抜けそうにない。
[東京 10日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、米国の小売りやインフレ指標に対する米長期金利の上下動に敏感な反応を示しそうだ。とはいえ、最近のボックス相場から一気に抜け出す気配はなく、短期筋も「上がったらドル売り、下がったらドル買い」というパターンから足を抜けそうにない。
9月10日、来週の外為市場でドル/円は米国の小売りやインフレ指標に対する米長期金利の上下動に敏感な反応を示しそうだが、最近のボックス相場から一気に抜け出す勢いはないとみられている。2017年撮影(2021年 ロイター/Thomas White)
結果的にドルは最近見慣れたレンジに収まりそうだ。
予想レンジはドルが109.00━111.00円、ユーロが1.1700―1.1900ドル。
上田東短フォレックスの営業推進室長、阪井勇蔵氏は「来週はブラックアウトによって、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言が見込まれない中で、米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高の発表が予定される。経済指標を受けた米長期金利の動きに、ドル/円は細かく反応していくことになりそうだ」との見方を示した。
ブラックアウトとは中央銀行政策決定会合のメンバーが会合前後の時期に金融政策について発言することを禁じたルール。FRBでは、ブラックアウト期間が、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される前々週の土曜日からFOMC終了時までとなっている。
阪井氏は「デルタ株の悪影響がグローバル経済を抑圧するなかで、主要国中銀は総じてテーパリング(量的緩和の縮小)にかなり慎重になっているため、ドル/円でも、大きな方向感は出にくい」とみている。
欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、新型コロナ対応の債券買い入れプログラムの買い入れ規模縮小を決定し、緊急措置の解除に向けた一歩を踏み出した。しかし、ラガルドECB総裁は、今回の決定について「テーパリングではない」と強調し、緩和的な政策を継続する意思を示した。
FXcoin取締役の上田眞理人氏は「ボックス圏を見込むが、唯一ボックスを抜け出す材料としては、アフガン問題がある。リスク回避の円買いのリスクと、ドル買いのリスクもあり得る」という。
「テーパリングについては、各中銀とも尻すぼみになっている印象だ。こうした中銀の態度を受けてドル/円では110円台が重くなってきている。テーパリングの告知が9月に行われない可能性に鑑みて、ドルを買い続けることをためらう雰囲気も出てきている」(上田氏)。
ドル高になるには、ドルが諸通貨に対して全般的に強く、クロス円が総じて弱いという環境が必要だが、現在の為替市場はそうした構図にはなっていない、と同氏は言う。
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