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概要:世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズは日本での統合型リゾート施設(IR)事業ライセンス取得を断念する。世界のカジノ業界にとって日本は極めて大きな商機があると見込まれ、同社は長年この取得を目指してきた。
世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズは日本での統合型リゾート施設(IR)事業ライセンス取得を断念する。世界のカジノ業界にとって日本は極めて大きな商機があると見込まれ、同社は長年この取得を目指してきた。
事情に詳しい複数の関係者によると、ラスベガス・サンズは少なくとも2005年から日本での事業拡大を探ってきたが、IR整備法の一部条件に経営幹部が不満を示していた。
特に大きな障害となったのは、ライセンスの有効期間が10年と短く、その期間内ですら日本の中央官庁や地方自治体が参入企業の利益を損なうような形で条件を変える可能性があることだった。ラスベガス・サンズがマカオとシンガポールに有するカジノリゾートのライセンスはそれぞれ20年、30年有効だ。
同社を創業した資産家のシェルドン・アデルソン氏は、これまで培った日本での関係に謝意を示しつつ、「当社のエネルギーを別の好機に集中させるべき時期だ」と発表文で説明した。
関心低下
16年にIR整備推進法が施行されて以来、日本のカジノ市場がマカオに次いでアジア2番目の規模となり得るとのアナリスト予想も浮上したが、ここ1年は、カジノ関連企業の関心は低下している。
米シーザーズ・エンターテインメントは同業エルドラド・リゾーツとの合併や米国事業に注力するとして、日本でのIRライセンス取得に向けた活動を昨年8月に中止すると発表。マレーシアの観光業大手ゲンティンやギャラクシー・エンターテインメント・グループは撤退し、MGMリゾーツ・インターナショナルは、大阪でのライセンス取得で事実上の勝者となった。
世界屈指の富豪でもあるサンズのアデルソン氏は日本進出に際し、ラスベガスやマカオ、シンガポールでの実績と同様、カジノとホテル、会議場を含む統合型リゾートに100億ドル(約1兆700億円)を投じる用意があると述べていた。
複数の関係者が匿名を条件に語ったところによれば、リゾート建設に5年を要する可能性を考えると、その規模の投資に対する十分なリターンを確保するには10年間のライセンス期間は不十分だった。日本の地価や人件費は高く、銀行は建設費の半分超の融資に消極的だったという。
関連記事 2018年7月20日配信 |
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