ルノー会長、日産に攻撃的に何かやろうと考えていない＝日産株主総会で

日産自動車(7201.T)と連合（アライアンス）を組む仏ルノー(RENA.PA)のジャンドミニク・スナール会長は２５日、横浜市で開かれた日産の株主総会に日産取締役として出席した。株主からの質問で警戒感を示されたのを受け、「日産に攻撃をしかけることは考えていない。そのような発想もない」と述べて理解を求めた。

スナール会長は、日産取締役に就任して以来、「全力を尽くしてアライアンス関係の円滑化に努めてきた」と語り、両社の関係は就任当初は「もっと悪い状態だった。私はできるかぎりのことをしてきた」と説明。「日産の誇りを重んじて、会長職は本来求める権利もあったが、（就任を）あきらめた」と話した。

ルノーが打診を受けた欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモビルズ（ＦＣＡ）(FCHA.MI)からの経営統合案に関しては、「ＦＣＡとの交渉は中断している」と前置きしたうえで、ＦＣＡとの統合案は「日産にとってもアライアンス強化のチャンスだった」と述べた。日産に対して「攻撃的に何かをやろうとする気はまったく考えていない。ぜひ信じていただきたい」と繰り返した。

また、ルノーが日産のガバナンス改革に「反対したというのは事実ではない」と釈明。日産が指名委員会等設置会社移行後に設置する委員会へのルノー出身者のメンバー入りを求めたことについては、日産から２人がルノー取締役になっているため、ルノーからも２人のメンバー入りを「単純に平等な公平性の形として求めただけだ」と語った。

ルノーと日産の経営統合交渉についても「（日産の）取締役会抜きでは話せることではない」と指摘。検討する権利はあるが、「私が（経営統合を）決める立場にあるわけではなく、取締役の決議事項だ」と述べた。

スナール会長は、今回の株主総会で日産取締役として承認された後には「絶対的に日産の株主になりたいと思っている」と話し、日産株を保有する意向も示した。同会長はルノーの株式を購入している。