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概要:ロシア産燃料を運んでいた石油タンカーがアデン湾を航行中にミサイル攻撃を受けたことは、石油市場にとって決定的な出来事となるかもしれない。
2024年1月29日 3:03 JST
26日の原油市場、攻撃の報道受け価格は2ドル上昇の2カ月ぶり高値
攻撃されたタンカー、管理者はロンドンの会社-西側とつながり
ロシア産燃料を運んでいた石油タンカーがアデン湾を航行中にミサイル攻撃を受けたことは、石油市場にとって決定的な出来事となるかもしれない。
ロシア産燃料運ぶタンカー、イエメン沖でフーシ派ミサイルに被弾 (2)
イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での商船攻撃がここ数カ月相次ぐ中でも、石油市場は大きな影響を免れてきた。それは紅海とスエズ運河を通過する石油の多くはロシア産であり、安全だろうと考えられていたからだ。フーシ派はそれまでロシアの船舶は恐れることはないと述べており、ロシアはフーシ派の後ろ盾であるイランと関係が近い。石油タンカーは総じて被害を免れていた。
ロシアと中国の船は紅海で安全、フーシ派がイズベスチヤ紙に伝える
だが、前週末26日の攻撃で一つ明確になったことがある。フーシ派がどのような保証を提供しようとも、その船自体が米国、英国、イスラエルと少しでもつながりがあれば、保証は船の積み荷には及ばないということだ。フーシ派は当初、ガザでの戦争を理由にイスラエルの資産を標的にしていると述べていたが、その後、米英軍がイエメンで空爆を開始したため、両国の船舶にも標的を拡大した。
今回の攻撃は、紅海を経由してアジアの顧客に届いていた日量300万バレルのロシア産原油と燃料が、より大きな脅威にさらされる危険があることを意味する。ウクライナ侵攻を理由にロシアに科された経済制裁にもかかわらず、ロシア産原油は今も世界の市場で重要な量を占めている。
26日のニューヨーク原油相場は、今回の攻撃に反応して2カ月ぶり高値に上昇した。
ただ、ロシア産原油が今後すべて狙われる可能性は低そうだ。国際的な海事データベース「イクエーシス」によると、攻撃を受けたタンカー船「マーリン・ルアンダ」の管理者はロンドンの会社だった。フーシ派は標的とする上で、十分なつながりがあると判断したのかもしれない。
しかしマーリン・ルアンダの積載燃料は、多くのロシア産石油とは決定的な点で異なる。米国の制裁で認められている上限内の販売価格であったため、西側企業が管理しリースするタンカーを使って運搬されていた。
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