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概要:ブラックストーンのディールメーカーと幹部は、保有資産の売却による利益の分配が前年比で51%減少した。不動産の厳しい状況が響いている。
全社では51%減-不動産はブラックストーンの資産の3分の1占める
グレイ社長は不動産の価値は底を打ちつつあるとみている
ブラックストーンのディールメーカーと幹部は、保有資産の売却による利益の分配が前年比で51%減少した。不動産の厳しい状況が響いている。
こうした人々が2023年に受け取った利益分配、いわゆるキャリードインタレストは8億9600万ドル(約1320億円)と、22年の18億ドルから減少した。最も大きく減ったのは不動産投資で、キャリードインタレストは89%減の1億2330万ドルだった。
不動産はブラックストーンの資産1兆ドルのほぼ3分の1を占める。商業用不動産は金利上昇により不動産評価額が低下しているため圧力を受けている。世界最大の商業用不動産所有者であるブラックストーンも、金利上昇の影響を免れることはできなかった。
ジョン・グレイ社長は「投資家への利益が少なければ、われわれの収入も少なくなる。それがビジネスモデルだ。この整合性は投資家にとって非常に重要だ」とインタビューで語った。
不動産の価値は底を打ちつつある-ブラックストーンのグレイ社長
Source: Bloomberg
グレイ氏は木曜日の決算説明会で、今年前半に不動産の収益が大きく上昇することは期待できないと語った。「環境が良くなれば、市場が求めるようなものが出てくると思う。価値が適切だと思えば投資する」と話した。
ブラックストーン、10-12月は増益-「好循環」生まれるとグレイ社長
不動産投資ファンドはブラックストーンの事業の中で唯一、昨年価値が低下した。売却から得られる利益を狙うオポチュニスティック投資では6.3%、 長期的に安定した利回りを生み出すことを目的としたコア投資では4.3%の低下だった。
プライベートエクイティー投資業界では「実現パフォーマンス報酬」として知られる利益分配が3%増と、わずかながら増加した。各社は保有企業の売却を控えており、この1年でディール件数は激減している。
売るのが先、保有企業の売却がPE投資会社の今年前半の重要課題に
昨年は不動産にとって厳しい年だったが、グレイ氏は不動産の価値は底を打ちつつあるとみている。
同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、10年物国債利回りがシフトしているため、不動産価値が上昇する可能性があると述べた。低金利時代に融資を受けた問題のある資産は困難に直面するだろうとも指摘した。
それでもは、新規建設の減少によって物流などのセクターの不動産供給が制限されることで「回復の基盤」が整うとの見通しに自信を示した。
ブラックストーンの富裕層投資家向け不動産信託は2023年に0.5%の損失を計上し、運用会社が利益分配を受けられる基準には達しなかった。
同業他社の結果はさらに悪く、スターウッド・キャピタル・グループはマイナス8.6%、ブルックフィールド・アセット・マネジメントはマイナス6.7%、KKRはマイナス6.25%のトータルリターンとなった。
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