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概要:英国のインフレ率が予想を下回ったことを受けてトレーダーが来年の利下げ観測を強め、世界の債券は値上がりした。
10年物ドイツ国債利回りは3月以来の2%割れ
トレーダーは利下げ観測強める-米・英国債も値上がり
英国のインフレ率が予想を下回ったことを受けてトレーダーが来年の利下げ観測を強め、世界の債券は値上がりした。
ドイツの10年債利回りは3月以降で初めて2%を割り込み、英国では4月以来の低水準。10年物米国債利回りは5カ月ぶり低水準となった。
英国のインフレが11月に予想以上に鈍化したことを受け投資家は世界の主要中央銀行による積極的な金融緩和への見通しを強めた。トレーダーは現在、来年にイングランド銀行(英中銀)が少なくとも5回、米連邦準備制度と欧州中央銀行が6回の利下げを実施すると見込んでいる。
コメルツ銀行の金利調査責任者、クリストフ・リーガー氏は「英国のインフレ率は、債券市場のお祭りムードに拍車をかけた。このデータは世界のインフレがより広範なベースで崩れ始めていることを示す証拠になる」と話した。
11月の英国消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.9%上昇。前月の4.6%上昇から鈍化した。英インフレ率は昨年、40年余りで最高の11%超に達していた。
英国のインフレ率、11月は3.9%に鈍化-2年余りで最も低い水準
インフレ鈍化を受けてゴールドマン・サックス・グループは英中銀の最初の利下げ時期予想を来年5月と従来の6月から前倒しした。
米国については市場は来年末までに150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緩和を想定しており、早ければ3月にも始まる確率が高い。
ダンスケ銀行のチーフストラテジスト、ピエト・クリスティアンセン氏は「英国のインフレ動向は他国・地域と大きく異なることはなく、従って中銀の利下げサイクルも大きく異なることはないだろう」と語った。
ユーロ圏の経済データの悪化とインフレ鈍化が来年の利下げの必要性を強調している欧州中央銀行(ECB)については、来年に160bpの利下げが想定されている。
メディオラヌム・インターナショナル・ファンズの債券責任者チャールズ・ディーベル氏(ダブリン在勤)は「欧州のデータを踏まえると、ECBが主要中銀の中で最初に利上げを反転させると見込まれる」と指摘した。
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