アマゾンの売上高と利益、予想上回る－小売り部門や経費削減寄与

ジャシーＣＥＯの経費削減や利益拡大路線が米市場で評価されてきた

• ネット販売事業よりもサービス事業への依存を一段と強めている

米アマゾン・ドット・コムの７－９月（第３四半期）決算では売上高と利益がアナリスト予想を上回った。小売り部門の売り上げ増加や大幅なコスト抑制が寄与した。

クラウド部門の売り上げの伸びは市場予想を若干下回ったものの、アンディ・ジャシー最高経営責任者（ＣＥＯ）は投資家との電話会見で、事業が安定したと述べ、同社が合意に達した多くの取引が10－12月（第４四半期）の早い時期に実施に移されたと指摘した。発言を受け、アマゾンの株価は通常取引後の時間外取引で一時約3.5％上昇した。

ジャシー氏は今年、大幅な経費削減や利益拡大を重視する取り組みが米市場で評価されてきた。同ＣＥＯの下でアマゾンは、独立系商店への物流サービスや企業への演算能力提供、広告といった本来の商品ネット販売事業より収益性が高い傾向にあるサービス事業への依存を一段と強めている。

アマゾン・ドット・コムの７－９月決算について解説

Markets: The Close.

26日の発表資料によると、クラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス（ＡＷＳ）は７－９月期売上高が12％増の231億ドル（約３兆4700億円）。営業利益は69億8000万ドルで、アナリスト予想を約13億ドル上回った。営業利益率は2022年１－３月（第１四半期）以来最高となった。

７－９月期売上高は13％増の1431億ドル。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は1416億ドルだった。営業利益は112億ドルで、前年同期の25億ドルから大幅増。アナリスト予想平均は77億1000万ドルだった。

同社の中核事業であるオンラインストア売上高も市場予想を上回った。売上高は573億ドルで、前年同期比７％増えた。７－９月期にはアマゾンのイベント「プライムデー」が開催された。広告収入は26％増の120億ドルで、これも市場予想を上回った。

アマゾンは10－12月期売上高を1600億－1670億ドルと見込む。市場予想平均は1666億ドル。同社によれば、営業利益は70億－110億ドルの見通し。市場予想は87億1000万ドルだった。