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概要:23日の米株式市場では、S&P500種株価指数が5営業日続落。債券市場でボラティリティーが再燃し、株式相場にも影響が及んだ。今週はハイテク大手の決算発表が控えており、市場も注目している。
米10年債利回りは一時5%を超えた後、反転し一時4.83%まで下げる
S&P500種は終値で5月以来の安値-市場はハイテク決算に注目
23日の米株式市場では、S&P500種株価指数が5営業日続落。債券市場でボラティリティーが再燃し、株式相場にも影響が及んだ。今週はハイテク大手の決算発表が控えており、市場も注目している。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4217.04 | -7.12 | -0.17% |
ダウ工業株30種平均 | 32936.41 | -190.87 | -0.58% |
ナスダック総合指数 | 13018.33 | 34.52 | 0.27% |
S&P500種は5月以来の安値で終了。5日続落は今年最長の連続安となる。ただテクニカル上重要な支持線である4200は終値で下回らなかった。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は上昇。今週決算を発表するマイクロソフトが上昇したほか、エヌビディアも高い。エヌビディアはマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を動かす中央演算処理装置(CPU)として、アーム・ホールディングスの技術を使用した半導体の設計に着手した。ロイター通信が事情に詳しい関係者2人を引用して伝えた。
エヌビディア、アーム設計でウィンドウズPC半導体生産へ-報道
米国債市場はここ最近、激しいボラティリティーに見舞われている。米金融当局が高めの金利を維持するとの見方や、拡大する財政赤字を穴埋めするため政府が国債発行をさらに増やすとの観測が背景にある。
CFRAのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「10年債利回りのピークの予測はまだ困難で、米国株は引き続き圧迫されるだろう。相対力指数などはまだ極端な水準に達していない」と分析。「よって確実なことが一つ言える。10月は1年で最も変動の大きい月だと言われるが、その例がまた増えるということだ」と述べた。
金利が上昇すると、通常は米国債に対して株式の妙味が低下する一方、株式リスクプレミアムから判断すると、憂慮すべき状況には見えないと、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米国株責任者デービッド・レフコビッツ氏は指摘する。
過去の例を見ると、米10年債利回りが約6.5%を上回るとバリュエーションの低下につながるが、この「転換点」が現在でも有効かは分からないと、レフコビッツ氏は指摘。
「転換点がそれより低いこともあり得る。潜在的なGDP(国内総生産)の伸びは以前よりも低いためだ」とし、「株式にとっての主なリスクは、金利上昇が最終的に経済成長の顕著な減速につながるかどうかだ」と語った。
資産家ビル・アックマン氏は、米30年債のショートポジションを買い戻したことを明らかにした。現在の長期金利では米国債をショートで維持するにはリスクがあり過ぎると同氏は指摘。最近のデータが示すよりも、経済の減速度合いは大きいと述べた。またビル・グロース氏は担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動した先物を購入していると明らかにし、10-12月(第4四半期)の米リセッション(景気後退)を見込んでいると述べた。
アックマン氏が米国債をショートカバー、リスク多過ぎると指摘 (1)
ビル・グロース氏、SOFR先物を購入-年末までの米景気後退を想定
決算シーズンに関して明るいニュースを待っている投資家は、大手ハイテク企業に望みをかけている。
S&P500種の超大型株であるアップルとマイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアは、同指数の時価総額全体の約4分の1を占める。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたアナリスト予想では、5社の利益は平均で前年同期比34%増加が見込まれている。
国債
米国債相場は上昇。一時は下げて10年債利回りが16年ぶりに5%を超える場面があったが、経済が現在の金利を乗り切れるか疑問が広がった。
10年債利回りは一時11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて5.02%と、2007年以来の高水準。その後は下げに転じて、一時4.83%を付けた。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 5.00% | -7.6 | -1.50% |
米10年債利回り | 4.84% | -7.0 | -1.42% |
米2年債利回り | 5.04% | -3.2 | -0.63% |
米東部時間 | 16時47分 |
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州資産配分責任者ジェーソン・ドラホ氏は、市場環境について、成長と金利、そして金融当局の相互関係が現時点でどう作用しているかは不明確だと指摘。「そうしたフィードバック・ループがどう流れていくかがより明確になるまで、市場は不安定な状態が続きそうだ」と指摘。「われわれとしては3つのシナリオのうちより楽観的なケースを支持している。つまり、経済と金融市場の双方に過度に打撃を与えることなく成長が鈍化し、金利は低下するというのが最も可能性の高いシナリオということだ。そうなれば質の高い債券にはプラスで、最終的に株式にもプラスとなる」と語った。
外為
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが下げを拡大する展開。米10年債利回りは、一時5%を上回ったが、その後に反転した。主要通貨ではポンドとユーロの値上がりが目立った。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1268.00 | -4.85 | -0.38% |
ドル/円 | ¥149.71 | -¥0.15 | -0.10% |
ユーロ/ドル | $1.0669 | $0.0075 | 0.71% |
米東部時間 | 16時47分 |
円は、朝方は1ドル=149円90銭台で推移していたが、その後は円高方向に振れ、一時149円56銭を付けた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏は「米国債利回りが下げに転じたことが、ドルに影響している」と分析。「米金融当局が金利市場のボラティリティーを高めている」と述べた。
またマネックスUSAのFXスポット・トレーダーのヘレン・ギブン氏は「多くの米金融当局者がここ数週間、利回りの急上昇が実質的に追加引き締めの代替になり得るとの見解を示している。よって、ブルームバーグ・ドル指数が比較的横ばいで推移するのはより理にかなっている」と述べた。
原油
ニューヨーク原油相場は大幅続落。イスラエルがガザ侵攻の規模を見直している兆候が明らかになり、少なくとも一時的には中東の紛争拡大に歯止めがかかるとの見方が広がった。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は方向感の定まらない相場展開で、バレル当たり86ドルを割り込んで引けた。イスラエルは人質解放の時間を稼ぐため、ガザへの地上侵攻を見合わせているとみられている。欧州連合(EU)首脳らはガザへの支援物資輸送を可能にするため「人道的停戦」への支持をまとめようとしている。
ナターシャ・カネバ氏らJPモルガン・チェースのアナリストらは顧客リポートで、北海ブレント原油がバレル当たり約7ドル過大評価されているとし、市場の不透明性を考慮すればこのプレミアムは「妥当だ」と指摘。1973年を例外として、1967年より後にイスラエルが関与した大規模な軍事衝突10件はいずれも、原油価格に長期的な影響を与えなかったという。「戦闘がイスラエル・ハマス間を超えて広がったとしても、原油価格の長期的な上昇につながる可能性は低い」と分析した。
WTI先物
出所:NYMEX
原油価格は今月7日にハマスがイスラエルを攻撃して以来上昇しているが、現時点で原油供給に障害が見られないため、上昇率は抑えられている。
マイケル・トラン、ヘリマ・クロフト両氏を含むRBCキャピタル・マーケッツのアナリストは「イスラエルとハマスの戦争が中東全域に広がった場合、短期的な原油価格には上方向に動く余地が大きい」とリポートで指摘した。
原油市場に関するニュースとしてはこのほか、米石油大手シェブロンが同業のヘスを530億ドル(約7兆9500億円)で買収することに合意した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比2.59ドル(2.9%)安い1バレル=85.49ドルで終了。ハマスがイスラエルを攻撃して以来の大幅安。北海ブレント12月限は2.33ドル下げて89.83ドル。
金
ニューヨーク金相場は小幅安。米10年債利回りは一時、2007年以来の高水準を付けた後に、下げに転じた。中東の戦争が悪化の一途をたどるとの懸念は前週より和らいだ。
米10年債利回りが5%を上回ったのは16年ぶり。金融政策の引き締めが長期化するとの見方がその主因であり、そうした見方は利息を生まない投資商品である金に通常はマイナスに働く。
金はハマスのイスラエル攻撃後に約8%上昇していた。20日には一時、1オンス=2000ドルに近づいた。ハマスは週末に米国人2人の人質を解放。エジプト国境からガザ地区へ救援物資を積載したトラックが入り、世界的に深刻化していた紛争拡大への懸念は和らいだ。
金スポット相場
出所:ブルームバーグ
しかしイスラエルは依然、ガザの空爆を強化し、ハマスとの戦争で「次の段階」に備えている。またレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラによって戦火がレバノンに飛び火する可能性も警戒されている。中東での紛争拡大はエネルギー価格を上振れさせ、中央銀行の政策では制御が難しいインフレを引き起こし、経済を損ないかねない。
クリーブランド連銀のメスタ-総裁は20日、予想通りの経済動向ならば積極的な利上げは終わりに近づいていると述べた。パウエルFRB議長は25日に公の発言機会があり、追加利上げの有無で何らかの示唆があるかどうかに注目が集まる。
FRBの利上げ、「据え置き地点」に到達かそれに近い-メスター氏
エイミー・ガウワー氏らモルガン・スタンレーのアナリストは「金が今の価格を維持するには、地政学的なリスクプレミアムが継続するか、実質利回りが低下する必要がある」とリポートで指摘した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後3時30分現在、前営業日比8.39ドル(0.4%)下げて1オンス=1973.01ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、同6.60ドル(0.3%)安い1987.80ドルで終えた。
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