揺れるクレジット市場、ＦＲＢ当局者発言や強めの米指標で痛み増す

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2023年10月4日 10:57 JST

米投資適格級債の平均最低利回り6.15％、2009年以来の高水準

• ジャンク債のスプレッド、400ｂｐ強で推移－６月末以来の大きさ

金利が長期にわたって高水準に維持されるとの懸念が強まる中、コーポレートクレジット市場のあらゆる分野で状況が悪化している。

米投資適格債の平均最低利回り（ＹＴＷ）は２日に6.15％と、昨年の高水準である6.13％を上回り、2009年以来の水準に達した。クレジットスプレッドは、７月に記録した今年の低水準から11ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）拡大した。ボラティリティーの高まりで米国債利回りが上昇し株価が下げる中、３日には少なくとも２社が起債を見送った。

投機的水準の債券で最大の上場投資信託（ＥＴＦ）は２日間として今年最も大きな下げを記録。信用リスクの指標であるマークイットＣＤＸ北米ハイ・イールド指数のスプレッドは約５カ月ぶりの高水準に達した。

シュローダー・インベストメント・マネジメントのシニア投資ディレクター、デービッド・ナットソン氏は、「より長い期間にわたってより高い金利が維持される見通しを市場は織り込み始めている」とし、「痛みの列車はメインストリート（個人や中小企業）を離れ、ウォールストリート（米金融業界）に向かっている」と指摘した。

連邦準備制度は、労働市場の熱が冷めることを期待しているのかもしれないが、３日発表の経済指標はさらなる取り組みが必要なことを示唆している。８月の求人件数は961万件と、前月の892万件から増加した。

クリーブランド連銀のメスター総裁は３日、米経済が連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の９月会合時とほぼ同様であれば、次回11月の会合での利上げを支持する考えを示した。

ブルームバーグのデータによると、ジャンク債のスプレッドは400ｂｐ強で推移しており、６月末以来の高水準にある。米国債利回りの急上昇に伴いジャンク債のＹＴＷは９％を超えている。