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概要:お金持ち=金融リテラシーが高い、という認識は正しいわけではないと、本記事の筆者、佐藤彰氏は言います。かつて証券会社に勤務していた同氏は、投資で損失を出す富裕層には、いくつかの傾向があることに気づいたという。
富裕層だからといって、全員が投資上手というわけではない。
Suwittawatpix/Shutterstock
お金持ち=金融リテラシーが高い、という認識はすべての富裕層に当てはまるものではないと、本記事の筆者である佐藤彰氏は言う。
かつて証券会社に勤務していた同氏は、投資で損失を出す富裕層顧客を多く見てきた。そのなかには、いくつかの傾向があることに気づいたという。
そうした過ちは、一般投資家にも反面教師にできる。富裕層顧客から学んだ、投資における7つの悪い習慣とは?
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お金持ち=金融リテラシーが高い、という認識はすべての富裕層に当てはまるものではない。実際には、そうでない人も多いからだ。
かつて証券会社に勤務していたときに、私は世間一般でいうところの富裕層顧客を数多く見てきた。だが、入社後すぐに気づいたのだ。彼ら中にも投資に疎い人が意外と多いということを。
その証券会社で私は、主に人材育成やコンプライアンス部門で経験を積んだ。そこで、顧客と営業員とのコミュニケーションの仕方、顧客の取引傾向、そして損益状況を俯瞰してチェックする機会に恵まれた。その結果、投資で損失を出す富裕層顧客には、いくつかの傾向があることに気づいたのだ。
その後、私は独立してファイナンシャルプランナーとなったが、その投資に関する富裕層たちの過ちは、一般投資家にとっても反面教師にできると感じた。今回は、筆者が証券会社勤務時代に富裕層顧客から学んだ、投資における7つの悪い習慣を紹介する。
1. 投資の「目的地」を決めないで投資をする
投資の目的を決めない行為は、富裕層たちの投資における数々の悪習慣の中で、もっとも多く見られるものだ。旅行で行き先を決めずに交通手段を決める人はいない。それと同様に投資も、まずは自分の目的地を決めることが重要なのだ。
それにも関わらず、どの金融商品を買うか、それがどれだけ儲かるか、ということにばかりに気を揉んでいる。逆に、そのお金を何のために使うか、十分に検討できている人は少ないのだ。その結果、換金を必要とするタイミングで損をしていたり、想定通りのリターンが得られないことがよく起きる。
目的を決めるというのは、例えば「老後生活資金のため」と漠然とした内容を決めることではない。「老後の生活のために、あと20年で1000万円の資産を作る」というように、「何のためにいつまでにいくら必要か」まで落とし込むことまでが必要だ。そうすれば、毎月いくら投資をしたらいいか、どんな金融商品でどのように投資をしたらいいかなど、投資の方針も見えてくる。
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2. 短期で利益を出そうとする
誰しも短期間で利益が出たら嬉しいだろう。しかし、投資は期間が短くなればなるほど投機性が高まる。仮に短期間で大きな利益が出たとしても継続していくことはほぼ不可能だ。
そのような偶然を期待して投資をしている顧客のなかには、一時的に大きな利益を出す方もいる。だが、長い目でみればたいてい相当の損失を出しているのだ。
例えば、信用取引でリスクをとって取引を行い、刹那的に大儲けした顧客のなかには、今後も同じように利益を出せると思い込む人は多い。そして、リスク度外視で取引を継続した結果、後から追証で苦労するのだ。
ネットニュースなどでは、投資で大儲けした人が持てはやされる傾向にある。しかしそうした人は、そこに至るまで数多くの失敗をしていて、長い時間をかけて投資をしてきたケースが多い。実際には、長期間の運用で資産は作られるのだ。
3. 周囲の意見に翻弄される
証券会社のたいていの営業店には、投資の際に周囲の意見に翻弄されやすいタイプの大口客がいる。ただ残念ながら、そのなかには営業員の勧める金融商品を行き当たりばったり買い続けることで、損失を出してしまう人も多い。
たとえば、勧誘を受けるたびに、利益が出ている他のファンドを売却して、新しいファンドへ次々と乗り換えるのだ。そして、結果的にトータルの損益がマイナスになる。そういうことは、よく見受けられた。
他人の意見はあくまで参考であり、投資の決め手は自身の投資スタンスにある。そうした基準があれば、自分の判断が仮にズレてしまっても、後からそれを軌道修正できる。だが、行き当たりばったりでは、それさえもできなくなってしまうのだ。
4. 理解できない商品を買う
金融商品の中には、世の中のトレンドを踏まえた、様々な金融商品が次々と登場する。なぜなら、そのような金融商品は投資家の興味を惹き、資金が多く集まるからだ。ただ残念なことに、それらは「顧客のため」ではなく「売るため」に作られていることが多い。
例えば、政治や経済で最近よく耳にするカタカナのトレンドワードが商品名についているファンドはその典型だ。商品性を十分に理解していなくても、「今注目されているから儲かるだろう」と安易に判断して購入してしまう。
トレンドワードを冠した金融商品への投資を検討するときは、自分がその内容を十分に理解しているか慎重に判断して購入することをお勧めする。その上で購入すれば、売却時のタイミングも自信をもって判断できるはずだ。
5. 感情に流される
資産の価格が上下すると、自身の気持ちも上下してしまう。そんな顧客は、富裕層でも一定数存在する。運用パフォーマンスが良好だとすぐに利益を確定したがるが、逆に悪いときは現実逃避して運用状況チェックそのものをしなくなるのだ。その結果、より大きく利益を得るチャンスを失い、損失をかえって膨らませるケースを数え切れないほど、私は見てきた。
新興国に集中投資するファンドなど、値動きの大きい金融商品を購入する際に強くその傾向は出る。このような金融商品を購入後、値動きに右往左往する顧客は、投資金額を積み過ぎか、許容できるリスクを超えた金融商品を購入してしまっている可能性がある。
投資は、短期間で利益を出そうとし過ぎないのと同時に、気持ちの余裕を持つことも重要だ。そのためには、余裕のある資金での投資を心掛けること。そして、価格変動のリスクが自分に耐えられものであることを徹底して欲しい。
6. 資産の管理を他人に任せっきりにする
お金には、複雑でなおかつ悩ましい問題がたくさんある。なので、専門家など他人に頼ること、そのものはもちろん悪いことではない。問題は他人に任せっきりにしてしまうことだ。
もちろん、証券会社の営業員は、顧客の損益状況をしばしばチェックはしている。だが、1人の営業員で数百人の顧客を担当するケースもザラにあるため、毎日詳細にチェックできるとは限らない。
そもそも、いつどんな金融商品を買うか、売るかなどのアドバイスは、資産管理の方針があってこそ機能するものだ。その方針は自分自身で考えて決めないといけないのである。
自分の人生の舵取りをしていくのは自分自身だ。お金の管理を他人に丸投げしてしまえば、それを放棄するのと同じになる。資産の管理の方針を決めること、具体的な個々の最終判断は、自分自身で行う心構えをぜひ持って欲しい。
7. お金の勉強をしない
資産形成していくには、最終的にいつどんな金融商品を買うか、または売るか、そもそもどんな方針で資産形成していくかなどを考えることになる。それを可能とするには、金融リテラシーを身につけたり、最新の国内外の政治や経済の状況を把握していくことが必要だ。
そのためには、自分自身がどのようにお金を使う傾向にあるのかを知り、課題があれば改善していくことが必要だ。例えば、5つ目の「感情に流される」傾向があれば、それは改善が必要だろう。
また投資環境は日々変化する。証券トレーダーのように毎日細かいニュースまでチェックする必要はないが、特に重要な情報はニュースなどで収集し、今後全世界的に政治経済がどのように変化していくか日々考え、自分なりの見解を持つことも重要だろう。
まとめ
ここまで書いてきた7つの習慣は富裕層に限ったものではない。十分に一般投資家にも繋がる事項だ。
なかにはすぐに改善が難しい事項もあるかもしれないが、時間をかけて改善していって欲しい。また、これらの事項で課題がないと思った方も、今後ズレが生じることもある。定期的にこれらの観点で問題がないか、振り返ってみるといいだろう。
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※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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