バークレイズ、プライベートクレジットにバランスシートを割り当て

英銀バークレイズはバランスシートの一部を企業向けローンの保有に割り当てると、事情に詳しい関係者が明らかにした。プライベートクレジットのファンドと直接的に競合することになる。銀行業界は１兆5000億ドル（約218兆円）規模のプライベートクレジット市場に足掛かりを得ようとしている。

バークレイズはこの戦略を数十億ドル規模に拡大する計画で、自行がオリジネートした融資債権を購入するとともに、直接融資ファンドがアレンジした新しいファイナンシングに参加する。ニューヨーク在勤のプリンシパルインベストメント部門責任者、エミリー・クニッケル氏がこの事業を率いる。

バークレイズの広報担当者はコメントを控えた。

銀行はプライベートクレジットが数十億ドル規模のバイアウト資金を調達するための有力な手段に成長したことに対応しようとしている。かつては銀行がバイアウトファイナンスの市場を独占していたが、プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）投資会社がアレス・マネジメントやブラックストーンなどの資産運用会社に資金調達を頼るようになったため、銀行が機会を逃すことが多くなっている。

バークレイズは少なくとも昨年から、プライベートクレジットへの進出を計画していました。ロシアのウクライナ侵攻でシンジケートローンの組成などが難航するようになった後、多くの企業、特にＰＥ投資会社が保有する企業が、資金調達をプライベートレンダーに頼った。銀行はここ数カ月に案件のパイプラインを再構築し始め、市場の信用環境改善に伴い大規模な資金調達の役割を果たすようになってきた。

他の銀行もプライベートクレジット市場の一角を確保しようとしている。例えば、ＪＰモルガン・チェースは100億ドルの資金を直接融資向けに確保している。ゴールドマン・サックス・グループは、この分野に早期に参入した銀行の一つで、資産運用部門を通じて直接融資債権を保有している。