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概要:ウォール街には米金融当局がようやく利上げを終了したかもしれないとの安堵(あんど)感が広がりつつある。しかし、これは債券市場の動揺が近く過去のものになることを意味するわけではない。
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2023年8月14日 0:34 JST
米10年債利回りは昨年の高水準に向かう、インフレリスクなどで
今週はFOMC議事要旨を精査へ、政策見通しの手掛かり求め
ウォール街には米金融当局がようやく利上げを終了したかもしれないとの安堵(あんど)感が広がりつつある。しかし、これは債券市場の動揺が近く過去のものになることを意味するわけではない。
米国債は非常に高いボラティリティーを伴った乱高下が続くと、投資家は見込んでいる。景気の不透明感を背景に米金融当局が軌道を変更する、あるいは金利を市場が現在想定しているよりも高い水準でかなり長期にわたって維持する恐れがあるためだ。
既に、一部の米金融当局者はまだやるべき仕事があるかもしれないと強調している。40年ぶりの積極的な金融引き締め政策にもかかわらず、インフレが2%目標を引き続き上回っていることが背景にある。
バークレイズのストラテジストは、金利が来年も高い水準で推移するとの見方から、米2年債の売りを顧客に勧めている。早ければ来年3月にも一連の利下げが開始されるとの広範な市場の臆測とは別の見方だ。米10年債利回りは昨年の高水準に向かって再び上昇している。
インベスコのチーフ債券ストラテジスト、ロブ・ワルドナー氏は「長期債利回りの上昇に影響してきたのは、米金融当局が発するタカ派的なメッセージだ」と指摘。「米金融当局はタカ派姿勢を維持しており、それにより不透明感が高い状況が続いている」と述べた。
これまでのところ、主要な米経済指標は雇用の伸び鈍化やインフレ緩和の兆しを示し、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月の会合で金利を据え置くとの観測をおおむね支える内容となっている。ただ、7月の消費者物価指数(CPI)統計で食品とエネルギーを除いたコア指数はなおも前年同月比4.7%上昇。7月の生産者物価指数(PPI)も伸びが市場予想を上回り、米国債利回りの全面的な上昇につながった。
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米生産者物価指数、7月は予想上回る伸び-サービスの需要強く (3)
米政策金利の行き先、および政策当局者の間で見解が割れつつあるかどうかの手掛かりを求めて、投資家は今週、FOMC議事要旨(7月25-26日開催分)を精査することになりそうだ。
今月終盤に開かれるジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)にも注目が集まる。この会合はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって、当局が政策金利を2025年1月までに4%前後にまで引き下げるとの市場の織り込みを押し返す機会となり得る。
原
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