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概要:[8日 ロイター] - 8日の米欧株式市場で銀行株が急落。格付け会社ムーディーズが複数の米地銀・中小銀行の信用格付けを引き下げ、イタリア政府が銀行に対して40%の超過利潤税を課税する増税策を決定したことを受け、銀行業界の健全性に対する投資家の懸念が再燃した。
8月8日、米欧株式市場で銀行株が急落。格付け会社ムーディーズが複数の米地銀・中小銀行の信用格付けを引き下げ、イタリア政府が銀行に対して40%の超過利潤税を課税する増税策を決定したことを受け、銀行業界の健全性に対する投資家の懸念が再燃した。
[8日 ロイター] - 8日の米欧株式市場で銀行株が急落。格付け会社ムーディーズが複数の米地銀・中小銀行の信用格付けを引き下げ、イタリア政府が銀行に対して40%の超過利潤税を課税する増税策を決定したことを受け、銀行業界の健全性に対する投資家の懸念が再燃した。
ムーディーズは7日、地銀や中小行計10行の信用格付けを1段階引き下げたほか、一部の主要行を引き下げ方向で見直しの対象とした。金利の高止まりや資金調達コストの上昇、景気後退リスクの高まりによって米銀が収益を上げることが難しくなると警告。また、一部銀行の商業用不動産へのエクスポージャーを懸念材料に挙げた。
ムーディーズの金融機関担当マネジングディレクター、アナ・アーソフ氏は、ロイターのインタビューに「ムーディーズは向かい風を認識しているのであり、銀行システムが破綻していると言っているのではない」と述べた。
ガベリファンドのポートフォリオマネージャー、マクレー・サイクス氏は「地銀部門になお課題が存在することを思い起こさせた」と分析。商業用不動産への高いエクスポージャー、預金および資金調達コストの上昇などが主要な懸念材料に含まれるとした。
米株式市場のKBW地銀株指数は8日に1.38%下落し、ムーディーズの格下げ対象となったM&Tバンク 、ピナクル・ファイナンシャル・パートナーズ、BOKファイナンシャルなどが1.7─2.1%下落した。
格下げ方向で見直しの対象となったバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)、ステート・ストリート 、トゥルイスト・ファイナンシャルも安くなった。
ウェルズ・ファーゴの銀行アナリスト、マイク・メイヨ氏は、投資家が既に銀行の将来的な収益に対する期待値を低下させ、ムーディーズが挙げた幾つかの要因も市場に織り込み済みだと指摘。「金利高の長期化と景気後退リスクがもたらす痛みだ」とした。
欧州株式市場でもイタリアの大手行インテーザ・サンパオロ、バンコBPM、ウニクレディトが5.9─9%下落。イタリア政府は時限的措置として、銀行が金利上昇で得た利益に40%を課税する。
シティグループのアナリストは、新たな課税でイタリアの銀行の2023年純利益の5分の1近くが消失する可能性があると試算。バンク・オブ・アメリカの試算では、この措置が政府に最大30億ユーロ(33億ドル)の収入をもたらす可能性がある。
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