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概要:米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、米通貨監督庁(OCC)が7月27日、「バーゼル3最終化」の実行細則案を公表した。金融システム強化のため、資産のリスク性に応じた評価見直しなどを通じて自己資本の16%上積みを求める内容だ。
[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、米通貨監督庁(OCC)が7月27日、「バーゼル3最終化」の実行細則案を公表した。金融システム強化のため、資産のリスク性に応じた評価見直しなどを通じて自己資本の16%上積みを求める内容だ。
8月7日、米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、米通貨監督庁(OCC)が7月末に「バーゼル3最終化」の実行細則案を公表した。
銀行業界は、消費者向け融資のハードルが上がり、実体経済に悪影響を及ぼすと反論。今年春に大規模な銀行破綻が続いたとはいえ、FRBのストレステスト(健全性審査)で大手行の健全な経営と資本基盤の充実ぶりは証明済みなので、当局の提案は問題のない場所に解決策を提示するようなものだと主張している。
一方、金融アナリストの間からは、今後業界に広がる影響や予想される対応を巡ってさまざまな見解が聞かれた。
金融サービスコングロマリット、FISのジョー・サス氏は、リースバック型不動産融資について、従来の標準的なリスク付加が個別資産ごとにリスク配分を変える方式になることは反発を招く公算が大きいと見込む。
こうした融資のコストが割高化し、本来、金融サービスを十分に受けられていない借り手向けの与信縮小につながるという意味でも、業界が撤回を求めるだろうという。
法律事務所デベボイズ・アンド・プリントンのチェン・シュー氏は、新ルールは多くの収入を得られる事業のリスクが高いとみなしていると指摘。「ウエルスマネジメントなど手数料ベースの事業は、バランスシート上のリスクがなくても資本上積みが必要になる」と述べ、これは資本市場トレーディングを圧迫するだろうと付け加えた。
金融サービスアドバイザリー会社クラロス・グループのケビン・スタイン氏は、新たなリスク評価基準の導入により、銀行は規制対象外のノンバンクにより多くの取引案件を持って行かれる恐れがある、との見方を示した。
モルガン・スタンレーのアナリストチームは、大手行の新ルール順守に関して、最大4年の猶予が与えられる可能性があると想定している。
それでもゴールドマン・サックスのリチャード・ラムスデン氏は、大手行が直面する負担は予想外に大きいと警告し、リスク性資産の増大に伴って上積みすべき資本は約1350億ドル、普通株等Tier1比率で200ベーシスポイント(bp)前後に相当すると説明した。
その上で、ラムスデン氏は各行が自社株買いやバランスシートの運営を巡る方針などのかなり重大な決断を今すぐ迫られることになるとみている。
(Douglas Gillison記者、Nupur Anand記者、Tatiana Bautzer記者)
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