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概要:ラグジュアリーファッション小売業者は、マス市場向けアパレルブランドの需要が低迷するなかでも勢いを維持しています。マクロ経済の逆風はあるものの、ラグジュアリー部門が全体として比較的堅調な位置にあるのはなぜでしょうか。その環境の変化を探ります。
ラグジュアリーファッション小売業者は、マス市場向けアパレルブランドの需要が低迷するなかでも、勢いを維持している。
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は7月25日火曜日、2023年上半期の収益が過去最高の422億ユーロ(466億3000万ドル、約6兆5700億円)だったと発表した。純利益は、ワイン&スピリッツを除くすべてのカテゴリーで「2ケタのオーガニックな収益増」のため、30%増加した。ファッション&レザーグッズ(ルイ・ヴィトン[Louis Vuitton]、クリスチャンディオール[Christian Dior]、セリーヌ[Celine]などのブランドが含まれる)の売上高は前年同期比17%増加と、もっとも業績のよい分野だった。
LVMHはマクロ経済の逆風を認めているが、ラグジュアリー部門は全体として比較的堅調な位置にある。これは、ラグジュアリー部門の主な顧客は可処分所得が多く、インフレの影響を受けない傾向があるためだ。バーバリーグループ(Burberry Group)、エルメス(Hermes)、ケリング(Kering)はいずれも過去2カ月に四半期の決算を発表したが、第1四半期は全体的な収益が急増したという。マッキンゼー(McKinsey)は、2023年にはラグジュアリーの売上がほかの業界を超え、年間で5〜10%上昇すると予測している。
しかし、ラグジュアリー分野の状況は一部において分断されている。ラグジュアリーの顧客の多くは「裕福な消費者」とみなされているが、一方で、高級品に憧れを抱く消費者、つまり、年に1回や数回程度エントリーレベルの商品を購入する人々も対象となっている。
景気後退、デフレでもヴィトン、エルメス絶好調。中国人のブランド品爆買いは日本市場にも波及
このような層は現在のところ、ラグジュアリーにそれほど多くの金額を支出していないと、ジェーン・ハリ・アンド・アソシエイツ(Jane Hali & Associates)のジェシカ・ラミレス氏は米モダンリテールに語った。ラミレス氏によると、最初のグループである富裕層の買い物客の共感を集めることに成功しているLVMHのようなブランドではより際立っているという。
最近のラグジュアリーブランドの決算を考慮して、有力企業が現在どのような強みを持ち、どのような損失を被っているかを以下に説明する。全体として浮かび上がるのは、アジアでの売上増加、米国での売上低迷、欧州での旅行シーズンの盛り上がりという3つのトレンドだ。
アジアでの成長
多くのラグジュアリーファッション小売業者は、北京がゼロコロナ政策を解除し、買い物客が対面ショッピングを再開しようと殺到した結果、中国での売上が回復している。
たとえばバーバリーは、中国での既存店売上高が前年同時比46%増だったと発表した。「この四半期に、中国本土の継続的な回復によって、既存店売上高が20%近い高い伸びを示した」と、CEOのジョナサン・エイクロイド氏は声明で語った。
エルメスも同様に、「素晴らしい春節」だったといい、同国における「強い勢い」に言及している。同社は1月に事業を刷新した後に、南京店を新しい住所で再オープンしたが、それがリーチ拡大にもつながった。グッチ(Gucci)とバレンシアガ(Balenciaga)を保有しているケリングは、同社の決算発表のプレゼンテーションによると、第1四半期に収益の大部分(40%)をアジア太平洋地域で得た。
LVMHの最高財務責任者のジャン・ジャック・ギオニ氏は、7月25日の決算発表において、アジアの売上の大部分を占める中国でのビジネスが「非常に満足するもの」だと述べた。LVMHの上半期の売上の3分の1はアジアで生み出され、欧州は23%、米国は24%、日本が7%、そのほかの国が12%だった。
中国での小売売上高は改善したとはいえ、経済は依然としてパンデミックから回復している途上にある。6月の小売売上高は3.1%増だったが、5月の12.7%増から減速した。ロイターによると、アナリストは3.2%の伸びを予想していた。
米国での業績はさまざま
対照的に、いくつかのラグジュアリーブランドは米国において期待するような成長を実現できていない。
LVMHでは、米国での売上は今年上半期には増加したが、日本や欧州のようなほかの市場より後れをとっている。金融コミュニケーション担当次長のロドルフ・オーズン氏によると、同社はこれが「米国の消費者の需要がほかの西欧のクライアントと比べて軟調なため」であり、さらに、「米国人が米国以外で購入することが増え続けているため」だとしている。
LVMHは昨年、「米国では上半期が非常に好調で、アジアはどちらかというと控えめだった」としたのに対して、今年は「その逆だ」とオーズン氏は述べている。
ケリングは北米での売上の内訳を明かしていないが、この地域における同社の収益は(eコマースも含めて)第1四半期に18%減少した。ちなみに、同社の収益は西欧で15%、日本で30%、アジア太平洋で10%増加した。北米は3番目の大きな市場で、収益の21%を占める。
「予測したとおり、第1四半期におけるケリングの業績は良し悪しだった。自社ブランドの魅力を高め、主要な市場における注目度を高めるために努力しているなか、この期間中、活動が月ごとに徐々に改善していることに励まされている」と、CEOのフランソワ・アンリ・ピノー氏は声明で語った。
ほかの企業とは異なり、エルメスは決算レポートによると「米国における良好な勢いのおかげで」米国での売上が19%増加した。エルメスは第1四半期、米国で40店舗目となる新店舗をフロリダのネイプルズにオープンした。
ツーリズムの増加
多くのラグジュアリーブランドでは、春から夏にかけて支出を増やした旅行者による収益も増加した。
たとえばエルメスは、欧州、特に英国とイタリアで、「旅行者の移動の増加がけん引」し、非常に堅調な成長を示した。
LVMH傘下の非公開企業グループである免税大手のDFSグループは、「香港とマカオをはじめ、ほかの地域でも次第に観光客が回復してきたことの恩恵を受けた」と、LVMHの投資家リレーション責任者を務めるクリストファー・ホリス氏は述べた。
旅行者がどこに行くかは、VAT(付加価値税)の還付をどこで受けられるかにも依存する。イタリアやフランスのような主要な旅行拠点では、旅行者の購入費用を相殺するための税制優遇措置が現在も設けられている。一方、英国では、ブレクジット(EU離脱)以降は行っていない。バーバリーは昨年、このVAT規則によってロンドンはほかの欧州の都市に後れをとっていると警告した。
LVMHは決算報告で、「フランスでは、パリの老舗百貨店であるラ・サマリテーヌ(La Samaritaine)の順調な業績が、アジア人観光客の増加という背景のなか、旅行先としての魅力を確かなものにした」と述べた。また、「百貨店ル・ボン・マルシェ(Le Bon Marché)も急速に成長し、革新的なコンセプトをを開発し続け、熱心なフランス人の顧客層と、海外旅行者の回復の恩恵を受けた」と付け加えた。
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