英中銀は債券売却ペース加速示唆も、３日の政策発表で－市場が身構え

３日にＱＴのガイダンス示す可能性、売却目標増加を見込む声も

縮小ペースは年1200億ポンドに引き上げへ、キャピタルＥが予想

イングランド銀行（英中央銀行）が保有債券の売却ペース加速を示唆し、市場の意表を突くとの見方が広がっている。

英中銀当局者は３日にも、量的引き締め（ＱＴ）プログラムに基づくバランスシート縮小のペースを引き上げる方針を示す可能性があると、キャピタル・エコノミクスやＢＮＰパリバなどのアナリストは予想。英中銀は保有国債の満期償還金の再投資を停止したほか、昨年９月からは満期前の債券も積極的に売却している。現在の目標は、年800億ポンド（約14兆5700億円）のポートフォリオ縮小だ。

今後１年で償還を迎える英国債が増えるためこの目標は引き上げられるだろうと大方のエコノミストは見込んでいるものの、売却額の増加が発表されれば、市場の不意を突くかもしれない。キャピタル・エコノミクスは縮小規模が年1200億ポンド、売却目標は約２倍の同700億ポンドにそれぞれ大きく引き上げられる可能性があるとみる。

英中銀のラムズデン副総裁は先月、同行はバランスシート縮小のペースを速める可能性が高いとの見方を示していた。

英中銀、量的引き締めのペースを加速する公算大－ラムズデン副総裁

キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「十分に周知された英国債の売却が市場を不安定化することはないと、英中銀は学んだ」と指摘した。

ＵＢＳと野村はＱＴのペースが年1000億ポンドに加速し、ＢＮＰパリバは950億ポンド、ゴールドマン・サックスは900億ポンドに引き上げられるとそれぞれ見込む。英中銀が保有する英国債のうち向こう12カ月に満期となるのは約500億ポンドと、前の12カ月の350億ポンドから増加する。